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外国人投資家目線で見る、グローバル株式徹底比較!

2013年02月18日

第33回 日本の物流企業はアジアNo.1!?世界に踊り出るために必要なものとは...

みなさん、こんにちは。『今どき、株で儲けるヤツは、「業種別投資法」を使っている』著者の長谷部翔太郎です。

株式市場の勢いはさすがに一時ほどではなくなったものの、引き続き売買は高水準を維持しており、相場は依然として腰が強い状況にあるように思えます。ここまでは「節分天井」の相場格言通りでしたが、「彼岸底」になるかどうか、が注目されます。

さて、「外国人投資家目線で見るグローバル株式徹底比較!」の33回目となる今回は、前回にご紹介した物流業界(海運は除く)をもう少し掘り下げてみましょう。政府の景気判断も底打ちを示唆し始めました。物流業界は景気回復メリットを大きく受ける産業でもあります。今後の展開次第では、物流業界への注目度が高まってくる可能性もあるかもしれません。

前回では、物流業界はトップ3企業の存在感が大きく、日本企業はトップ10に名を連ねてはいるものの、「コア銘柄」といった位置づけにはないことをご説明しました。とすると、国際投資家が日本の物流会社に注目するためには、何がしかグローバルでも特筆される「エッジ」が必要不可欠となります。

しかし、これまでは日本企業のマザーマーケットである日本市場も長年にわたる景気低迷に見舞われていたうえ、各社様々な戦略的取り組みはあったものの、結果としてビジネスは横ばい圏の推移にとどまっていたのが実状でした。つまり、トップ3には規模で見劣りするが、それをカバーするだけの「エッジ」も日本企業は提供できていなかった、ということになのです。

この傾向はバリュエーションにも端的に表れています。日本通運やヤマトホールディングスのEBITDA倍率は概ね5倍前後となっていますが、企業規模が圧倒的に異なるトップ3を除くと、競合他社よりもかなり低い水準にあることがわかります。トップ10の中下位企業の多くは10倍以上のEBITDA倍率で取引されており、10倍以下の企業でも7~8倍といった水準です。

これは、それだけ日本企業が「割安」ということもできますが、それだけプレミアムを付与できない(成長期待が大きくない)ということでもあるのです。実際、過去5~6年の日本企業の売上成長率は、為替の影響を除けばほぼ横ばい圏に留まるのに対し、トップ10の中下位企業では同期間に売上を倍増させている企業も少なくありません。


しかし、同時におもしろい傾向も見出せます。トップ10企業の国籍を見ると、半数は欧州の会社が占めており、次いで米国、そして日本という内訳になります。米国はその国の大きさから見て当然でしょうが、欧州で巨大企業が輩出されているのは、EUの市場統合などが契機となって一気に物流需要が高まったことに加え、さらに再編も進展したことがその背景にあります。

対照的に、アジアの企業は日本を除くとトップ10には入ってきません。言い換えれば、アジア市場はまだまだこれからという状況にあるのです。当然、アジア市場は日本にとって地理的にも優位性を発揮できる市場でもあります。マザーマーケットたる日本景気の回復は言わずもがなですが、こういったアジア市場への展開が日本の物流企業の「エッジ」になる可能性は非常に大きいと考えられるでしょう。

もちろん、そこでは韓国や中国の物流企業が強力なライバルとなります。実際、韓国の現代グロービスや中国の中国外運などは急成長してきており、バリュエーションを見る限り、投資家はこれらの企業の方にプレミアムを付与している、つまりより期待している状況にあると言えるでしょう。しかし、このことは日本企業がアジアの成長メリットを大きく獲得すれば、ポジティブサプライズが生じる可能性も示唆しています。既に日本企業はアジア展開を進めており、着実に布石を打ってきています。これらの布石が結実してくる時こそ、日本企業の「エッジ」がフルに発揮されることでしょう。

コラム執筆: 長谷部 翔太郎

証券アナリスト。日系大手証券を経て、外資系投資銀行に勤務。証券アナリストとして、日経や米Institutional Investor 誌などの各種サーベイで1位の評価を長年継続し、トップアナリストとして君臨する。外資系投資銀行で経営幹部に名前を連ねた後、現在は経営コンサルティング会社を経営する。著述業も手がけ、証券業界におけるアナリストのあり方に一石を投じる活動を展開。著書は、『今どき、株で儲けるヤツは、「業種別投資法」を知っている』『今どき、株で儲けるヤツは、「業種別投資法」を使っている』その他多数。 過去に「業種別アプローチで極める、銘柄選び」を執筆。

http://lounge.monex.co.jp/advance/sector/

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