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外国人投資家目線で見る、グローバル株式徹底比較!

2013年03月04日

第34回 番外編:外国人投資家目線で見るアベノミクス

みなさん、こんにちは。『今どき、株で儲けるヤツは、「業種別投資法」を使っている』著者の長谷部翔太郎です。

日銀総裁決定から株式市場はもう一段の上昇となっています。以前にもこのコラムで触れましたが、現在の状況は2003年夏頃の相場によく似ているように感じており、現在もその雰囲気にまだ変化はないように思われます。このままだと、「アベノミクス」は今年の流行語大賞も獲るような勢いといえるでしょう。

さて34回目となる「外国人投資家目線で見るグローバル株式徹底比較!」では、これまでのような業種別動向は一休みとして、そういった市場の流れについて触れてみたいと思います。「外国人投資家目線で見るアベノミクス」というわけです。とはいえ、筆者はエコノミストでもないですし、ストラテジストでもありません。あくまでアナリストの視点で議論を進めていきましょう。

そもそも外国人投資家が日本株を買うとすれば、それは
① 日本の景気が世界的に見ても高い成長が期待される場合
② 日本の景気はあまり関係なく、各業種において世界的な地位を占める中核企業、あるいは世界の同業他社と比較して大きく変化する余地のある「エッジ」の効いた企業に注目する場合
の二通りしかありません。その中で、このコラムは主として②に注目する形で連載をしてきたのですが、昨年末からの相場の転換はまさに①への期待が急上昇したものであったといえるでしょう。

もちろん、GDP成長率などの絶対水準は新興国には敵わないものの、これまでのあまりにも低かった期待値からすれば、その修正は非常に大きなインパクトで受け止められたと言えるのです。期待値が低かったとはいえ、日本は世界第三位の経済大国であり、社会、治安、法制、情報、市場の厚みなどなど、投資をするうえでの条件は十分過ぎるほど整っています。注目さえ集まれば、再評価される余地は十分にあったのです。今回のアベノミクスは、その日本に注目を集めるきっかけになりました。

ただし、期待値の修正・再評価であれば、それは水準訂正が一巡した時点で理論的には終了です。そもそも日本に対する期待値の低下は、規制緩和の遅れや人口減少といった構造的な問題も含んでのことであったはずでした。とすれば、アベノミクスがあってもこれら構造問題に変化がなければ、かつて考えていたより「まし」なだけで、少なくとも期待の拡大には繋がりません。焦点は、このアベノミクスが構造問題を現実にカバーできるのかどうか、また、それがどういった産業・分野で実現されていくのか、ということになるでしょう。2012年11月に市場が大きく反発を始めた時、多くの外国人投資家はまだ半信半疑でした。現在はかなり疑念が後退してきつつあるようですが、まだ期待値の修正の域を越えてきたようには思えません。しかし同時に、彼らはアベノミクスがどういった分野・産業で構造問題をカバーしていくのかを冷静に見極める努力を既に始めているように思えます。

好例は自動車業界でしょう。アベノミクスの基本は、これまでのところ、インフレターゲットを設定しての大胆な金融緩和(リフレ政策)にあります(と理解しています)。その結果として、大きく為替水準が訂正されました。これを国際投資家は日本の自動車産業への追い風と捉えると同時に、韓国自動車産業への逆風としても認識したのです。株価動向はご存じの通りで、昨年11月からではトヨタ自動車株は60%上昇する一方、現代自動車株は一時20%近い下落を演じました。高い評価を持つ日本の自動車は、円高をいう重石を外せばその競争力は一気に蘇ると目されたのに対し、過去3年間で世界シェアを大きく拡大し、時価総額も増大する勢いにあった韓国の現代自動車は為替の転換でその立場に変化が生じると見たのです。韓国企業にとってはここからが真の評価が問われるステージということになります。

コラム執筆: 長谷部 翔太郎

証券アナリスト。日系大手証券を経て、外資系投資銀行に勤務。証券アナリストとして、日経や米Institutional Investor 誌などの各種サーベイで1位の評価を長年継続し、トップアナリストとして君臨する。外資系投資銀行で経営幹部に名前を連ねた後、現在は経営コンサルティング会社を経営する。著述業も手がけ、証券業界におけるアナリストのあり方に一石を投じる活動を展開。著書は、『今どき、株で儲けるヤツは、「業種別投資法」を知っている』『今どき、株で儲けるヤツは、「業種別投資法」を使っている』その他多数。 過去に「業種別アプローチで極める、銘柄選び」を執筆。

http://lounge.monex.co.jp/advance/sector/

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