[ ここから本文です ]

経済ニュースここに注目!

2011年05月13日

第 33 回 投資家なら知っておきたい『BRICS首脳会議』の動向

maeda_san.jpg
2011年4月14日米国ワシントンでG20財務相・中央銀行総裁会議が開催されました。今後の世界経済動向について議論され、内容は多くのメディアでも報じられました。

同じ日に中国の高級リゾート地の海南島・三亜市では第3回BRICS首脳会議が開催されましたが、会議そのものを知らない人が大半です。しかしBRICS経済は人口で世界の4割以上、GDPで世界の1割近くを占めます。中国政府系シンクタンクの中国社会科学院は2015年には世界のGDPの15%になり米国を抜くと予想しています。2035年にはG7先進国を抜きそうです。投資家には無視できない存在です。

今後、世界経済に大きな影響を与えるであろうBRICS首脳会議の第1回目は2009年6月16日にロシアのエカテリンブルクで開催されました。私の知る範囲では、日本の報道機関では全くニュースにならず、中国系の日本語ニュースサイトだけが報道しました。

今回の会議では、従来のブラジル、ロシア、中国、インドの4カ国に加え「S」に該当する南アフリカ(South Africa)が加わりました。首脳会議では「三亜宣言」という名称で次の点が発表されました。

1. BRICSによる発言力の強化のための国連改革

2. 米ドル中心の国際通貨体制の見直し
3. 商品価格高騰を抑えるための投機マネーへの監視

4. リビア情勢に対するアフリカ連合による仲介案の支持

5. 原子力発電の促進

などです。これまで世界経済を管理してきたG7先進国に対しBRICSが結束して対抗していく姿勢が表れています。

投資家として注目しておきたいのは「米ドル中心の国際通貨体制の見直し」です。従来の米ドルでの貿易決済から、5カ国間での取引では自国通貨建ての貿易決済・融資を拡大することで合意されました。これが進むと米ドルの価値が下落していくことになります。

2011年5月5日付け中国人民日報には「『スパート』をかける人民元国際化」と題して、ここ半年間での人民元の国際化がいかに進んだかが紹介されています。例えば


(1)中国銀行は米国人顧客に人民元建て取引を開放

(2)世界銀行が人民元建て債券を発行
(3)中国・ロシアの二国間貿易で両国通貨の決済開始

(4)海外機関が中国国内で人民元建て決済口座の開設開始

(5)香港証券取引所で人民元レートでの先物契約と人民元建て株式の発行

(6)国家外貨センターで人民元と外貨のオプション取引開始 などです。

猛烈なスピードで人民元の国際化が進んでいます。香港上海銀行(HSBC)の調査では2015年には対中貿易の半分が人民元取引に変わると予測されています。

「三亜宣言」では国内のインフレを抑えるため、穀物・エネルギー商品価格の監視強化が発表されました。グローバルに展開するヘッジファンド等への監視や規制が目的です。今後、商品市況への影響が出てくるかもしれません。

次回、BRICS会議は来年インドで開催予定です。いまだに多くの人は従来の常識で物事を考えています。しかし世界は我々を待つことなくドンドン進みます。気付いた時には手遅れにならないように、マスコミが大きく報じない「BRICS首脳会議」に注目していきましょう。

本日のポイント

★ BRICS首脳会議ではG7先進国への対抗心が表面化してきた。

★ 米ドル中心の国際通貨体制の見直しが進んでいる。

★ 今後もBRICS会議の動向を注視しなければならないだろう。


コラム執筆:

前田 紳詞
株式会社FP診断サービス 代表取締役

口座開設をお考えのお客さま

口座開設・資料請求(無料)

全てのお取引はこちらから

ログインはこちら

 マネックス証券からのご留意事項

「経済ニュースここに注目!」では、マネックス証券でお取扱している商品・サービス等について言及している部分があります。

マネックス証券でお取引いただく際は、所定の手数料や諸経費等をご負担いただく場合があります。お取引いただく各商品等には価格の変動等による損失が生じるおそれがあります。また、信用取引、先物・オプション取引、外国為替証拠金取引・取引所株価指数証拠金取引をご利用いただく場合は、所定の保証金・証拠金をあらかじめいただく場合がございます。これらの取引には差し入れた保証金・証拠金(当初元本)を上回る損失が生じるおそれがあります。
商品ごとに手数料等及びリスクは異なりますので、詳しくは「契約締結前交付書面」、「上場有価証券等書面」、「目論見書」、「目論見書補完書面」又は当社ウェブサイトの「リスク・手数料などの重要事項に関する説明」をよくお読みください。

↑画面上部へ