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お金の相談室

2016年09月30日

第407回 気になるBRICS、今後の投資妙味は?

<質問>

最近あまり話題にならなくなったBRICSですが、原油価格が持ち直してくれば、ブラジル、ロシア等への投資を考えてもよいでしょうか?

<回答>

ブラジルやロシアへの投資ということになると、株式または債券への投資ということになるかと思いますが、まずは何を期待して投資するのか、短期間の投機でリターンを得ようとするのか、長期間の投資でリターンを得ようとするのか、といったところが重要かと思います。

債券投資の場合はリスクとリターンの要因は①債券のインカムゲイン②債券のキャピタルゲイン/ロス③為替差損益に大別されます。短期間の投機の場合は①はほとんど期待できませんので、②で債券利回りが低下してキャピタルゲインが発生する、もしくは③で為替差益が発生することに期待するということになります。なお、現地通貨建ての債券に投資した場合は、②はその国の通貨の金利リスクをとって③はその国の通貨の為替リスクをとることになります。つまり、その国の国債利回りが下がって債券価格が上がるか、その国の通貨が円に対して上昇することでリターンを得られます。米ドル建ての債券に投資した場合は、②は米ドルの金利リスクと各債券の信用リスクをとって③は米ドルの為替リスクをとることになります。米国債の利回り低下や各債券の信用改善/バリュエーション上昇によって債券価格が上がるか、米ドルが円に対して上昇することでリターンを得られます。短期的な投機取引によってこれらのリターンが得られるかどうかは、ご質問にある「原油価格が持ち直してくるか」どうかだけで決まるわけではありません。原油価格は持ち直した、にもかかわらずマイナスのリターンになった、ということも充分考えられます。

一方、中長期的な投資の場合は①の積みあがりが期待できます。②と③は短期の場合と同様ですが、中長期投資の場合はたとえ②と③がマイナスのリターンになっても、それを上回るほど①が大きければ全体のリターンはプラスになることが期待できます。この場合も、①が②より大きく積みあがるかどうかは、原油価格が持ち直してくるかどうかだけで決まるわけではありません。原油価格が持ち直してこなくても、全体のリターンがプラスになることは充分あり得ます。

株式投資の場合はリスクとリターンの要因も同じように考えることができます。株価変動によるキャピタルゲインをEPS(1株当り利益)の変化とPERの変化に分解すると、①配当によるインカムゲイン②EPS変化による株価変動のキャピタルゲイン/ロス③PER変化による株価変動のキャピタルゲイン/ロス④為替差損益に分解できます。短期間の投機の場合、①はほとんど期待できず、個別株投資でなければ②もほとんど期待できません。すると、③と④次第ということになります。この場合も、原油価格の持ち直しが③と④のリターンをプラスにするとは限りませんし、原油価格が持ち直したにも関わらずマイナスのリターンになるということもあり得ますし、原油価格が持ち直していないにも関わらずプラスのリターンになるということもあり得ます。

中長期的な投資の場合は①の積み上がりが期待でき、中長期的な企業利益の成長により②の期待できます。すると、③と④がマイナスとなっても、①と②のリターンがそれらを上回るほど大きければ全体のリターンがプラスになることが期待できます。

「原油価格が持ち直したから投資」では「オリンピックとワールドカップが開催されるから投資」と同じ失敗をしてしまう可能性があります。まずは、こうした整理をしてみると良いと思います。

コラム執筆:ジョン太郎

金融業界の様々な分野で経験を積んできた現役金融マン。投資・運用・金融・経済など、お金にまつわるトピックをわかりやすく解説しているブログ「ジョン太郎とヴィヴィ子のお金の話」は人気を博し、各種のサイトで紹介されている。著書に「外資系金融マンがわが子に教えたい「お金」と「投資」の本当の話」、「ど素人がはじめる投資信託の本」、「ど素人が読める決算書の本」がある。


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