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お金の相談室

2016年10月21日

第409回 知っておきたい!分散投資の効果と考え方

<質問>

リスク分散について質問です。
株価や債券等どちらの価格も下落している場合、リスク分散は具体的にどうすればよいでしょうか?

<回答>

ご質問に対するお答えをする前に分散効果について少しお話しさせていただきたいのですが、分散投資の効果は主に3つあり、①リスク要因の分散(例:1銘柄の株式に集中投資VS100銘柄の株式に分散投資→1社が破たんした場合の被害を少なくできる)、②全体の値動きを抑える、③リスクとリターンのバランスが良くなる、でご質問の分散効果は②に該当します。②は例えば2銘柄に分散投資した場合に、片方の下落時に他方が上昇して値動きを相殺し、全体の値動きが小さくなるというものですが、②と③の効果を期待するには各銘柄の動きの関連性が低い(相関係数が低い)ことが条件になります。相関の高い資産同士をいくら数多く組み合わせても②や③の効果はほとんど期待できませんが、たとえ2銘柄への分散でも両者の相関関係が無相関もしくは逆相関の場合には大きな分散効果が期待できます。相関係数というのは2つのデータグループの数字の関連性の高さを+1~-1の数値で表すもので、+1に近いほど同じ方向に動く場合が多いことを示し、0に近いほど関連性が低いことを示し、-1に近いほど逆の動き(片方が上がったときに他方が下がる)をすることが多いことを示します。

多くの例において、ある国の債券と株式の値動きは逆相関の関係にあり、株式の値上がり時には債券価格が値下がりしていることが多く、株式の値下がり時には債券価格が値上がりしていることが多い、という関係にあります。ただし、その関係は現地通貨ベースで成り立つ話で、日本国債と日本株式の価格を円表示した場合、米国国債と米国株式の価格を米ドルベースで表示した場合、に限った話です。円ベースで表示した米国株式と米国債券の相関係数は決して低くありません。というのも、双方にドル/円の為替レートの変動が影響してしまい、特に値動きの小さい債券は債券価格の変動よりも為替レート変動の影響が強く出てしまうケースが多々あります。せっかく現地通貨ベースでは逆方向に動いていても、為替が一気に円高に進んだせいで円ベースでは米国株式も米国債券も両方下落していたり、逆に一気に円安が進んだせいで双方上昇していたり、ということがあるということです。つまり、円からの投資で分散投資を考える場合には円ベースでの相関の低い資産同士を組み合わせないと分散効果が得られないということです。

もう少し付け加えさせていただくと、相関係数が示すのは方向性だけで値動きの大きさは示さないので、値動きの大きさに注意が必要です。どういうことかと言いますと、日本株と日本国債は逆相関の関係が成り立ちます。しかし、両者のリスク量には雲泥の差があります。この2資産を均等に扱い、半分ずつ分散投資するとどうなるでしょうか。もし日本株が2割下落した場合、たとえ逆相関の関係にある日本国債の価格が上昇したところでとても日本株式の下落の影響をカバーするには至りません。結果的に組み合わせた場合の値動きはほぼ日本株の値動きに近いものになってしまいます。この場合、組み合わせる比率をリスク量、つまり値動きの大きさに反比例させ、大きく値動きするリスク量の大きな資産は少なく、小さく値動きするリスク量の小さな資産は多く組み合わせることで、互いに補完し合い、値動きを相殺する分散効果が期待できます。また、相関関係自体も金融市場の変遷とともに少しずつ変化していくため、過去のデータが示すのはあくまでも過去、ということを忘れないようにしましょう。


コラム執筆:ジョン太郎

金融業界の様々な分野で経験を積んできた現役金融マン。投資・運用・金融・経済など、お金にまつわるトピックをわかりやすく解説しているブログ「ジョン太郎とヴィヴィ子のお金の話」は人気を博し、各種のサイトで紹介されている。著書に「外資系金融マンがわが子に教えたい「お金」と「投資」の本当の話」、「ど素人がはじめる投資信託の本」、「ど素人が読める決算書の本」がある。

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