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お金の相談室

2016年11月18日

第411回 注目!エマージング、フロンティアマーケットの展望は?

<質問>

新興国とフロンティアマーケットについて、今後の展望を教えてください。

<回答>

エマージングマーケットやフロンティアマーケットに、株式で投資するのか、債券で投資するのか、によっても差はありますがその成否は成長とバリュエーション、通貨価値、に大きく影響されます。

ここでは短期的な投機取引ではなく、これらの市場への中長期投資に絞ってお話を進めますが、中長期的な株式投資のリターンの源泉は利益成長による株価上昇と利益の一部が還元される配当金の積み上がりです。当然ながら、企業の利益成長率は国の経済成長率と高い相関が見られます。経済成長率はGDP成長率であり、GDPは付加価値合計であり、付加価値をつける主体は家計や政府ではなく企業セクターですので当然のことです。

債券投資のリターンの大きな源泉はインカムゲインです。利回りからインフレ率を引いた実質金利が高いほうがいいわけですが、実質金利が高い状態で続くためには経済成長率が高い状態で続くことが必要です。もちろん、新興国の場合はインフレ率の低下によって債券利回りが下がったり、信用力が上がって債券利回りが下がったり、することで債券価格が上昇するキャピタルゲインも期待できますが、やはりまず考えるべきはインカムゲインです。

そして、成長率の差は通貨価値にも影響を及ぼします。インフレ率や金融政策が大きな影響を与えることは言うまでもありませんが、新興国の長期的な成長が通貨価値に影響を与えることは、長期の日本円や人民元の推移を見ればわかります。

これらがせっかくプラス方向にいってもそれを全て台無しにしてしまうのがバリュエーションですが、今の新興国は株式にしても債券にしても通貨価値にしてもバリュエーション面で大きな調整が懸念されるような割高な市場はあまりありませんので、この点は今は気にしなくて良いかと思います。市場が未整備なフロンティアマーケットは言わずもがな、ですが市場規模が小さく流動性に乏しいこれらの市場はちょっとした資金流出入で価格が大きく変化し、バリュエーションが大きく変わるので注意が必要です。ということだけ付け加えておきます。

以上を踏まえて考えるうえで、大切なのは今後のGDP成長率がどのくらいになるのか、ですが、そもそもGDP成長率というのはGDPがどのくらい増えるのか、であり、GDPは人口×1人当たりGDPです。ということはGDP成長率=(1+人口増加率)×(1+1人当たりGDP変化率)-1であり、新興国は人口の増加率が高い国が多く、また、1人当たりGDPが低い国が多いので1人当たりGDPの変化率が大きくなりやすいのです。これらをお話ししたうえで10月に発表されたIMFの最新予想をご紹介しますと、今後5年の年率平均成長率は先進国全体で1.75%、日本は0.42%、新興国は4.89%です。これを覆す根拠を私は持ち合わせませんのでこの数字をご紹介します。成長率予想というのは、ある年のGDPと翌年のGDP額を予想し、その変化率を出し、さらにインフレ率の予想をしてそれを差し引いたものです。肌感覚で適当に●%くらいじゃないか?と言えるようなものではありませんので、IMFの予想のご紹介にとどめます。結論としては先進国と比べて高い成長率が期待されます。

コラム執筆:ジョン太郎

金融業界の様々な分野で経験を積んできた現役金融マン。投資・運用・金融・経済など、お金にまつわるトピックをわかりやすく解説しているブログ「ジョン太郎とヴィヴィ子のお金の話」は人気を博し、各種のサイトで紹介されている。著書に「外資系金融マンがわが子に教えたい「お金」と「投資」の本当の話」、「ど素人がはじめる投資信託の本」、「ど素人が読める決算書の本」がある。

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