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廣澤知子のやさしいマネー講座

2017年01月30日

第483回 「本当にトランプ・ラリー?」

30年以上前のビジネスマン、もしくは悪徳商人がタイムマシンに乗ってきて、現在の世界政治も経済も知らないままアメリカの大統領になったのではないかという気がします。トランプ大統領の側近に、本当に政治や経済の専門家チームが付いているか疑いたくなります。まさか選挙戦中に吐いた暴言の数々を実際に大統領令という形で「有言実行」していくとは・・・。
自身の都合の悪いことは相手のせい、もしくはねつ造と決めつけ、気に入らなければ恫喝をする・・・世界の終末時計が30秒も進み、人類滅亡まで残りが2分半となってしまったのも納得です。
彼を支持する人々がこうした無茶苦茶なやり方で、本当に生活が向上すると期待しているということが信じられません。

経済理論的には雇用創出のためには有効需要の拡大、すなわち企業投資の拡大、公共投資の増大などが挙げられます。そうした政策により経済成長が期待され、雇用や賃金の安定化につながります。経済成長には1)労働力の成長(人口増加等)、2)資本の成長(機会、工場などの資本の蓄積)、3)技術革新が要因とされていますが、2)と3)においてはITやロボット技術の進歩が大いに寄与し、1)に求められる労働力の解釈も、単純作業労働者の増加というよりは高度な教育を受けた技術者と、単純労働においては上記のロボット活用の増加のようになっていくのではないでしょうか。
経済理論は絶対のものではなく、経済学が誕生して以来、時代ごとに新たな理論が生まれています。古典的な理論解釈がそのまま現代の経済成長に結びつくとも言えませんし、単純に雇用機会創出ができるというわけではないように思います。

強引に米企業には米国内で工場を作らせ、生産し、他国の製品を締め出しても、割高になり、品質の良いものでなければ売れないというのがシンプルな事実でしょう。例えばドイツ車や日本車が世界で人気なのは、高くても品質やデザインなどが優れているからです。消費者は自動車を選ぶとき安全性や燃費、乗り心地や運転のしやすさなど、価格に見合うか厳しく見ているのです。瞬時に世界中の様々な情報を得られるようになった今、人々は高品質低価格の存在を知っています。
強制的に雇用を増やしても、売れないモノを作っていれば、いずれ企業経営にしわ寄せが来て、再びレイオフということになりかねません。
自国民は自国のものを買え、入れたくないものは人でも商品でも直接的間接的に「壁」を高くします、というのは時代錯誤もいいところです。
世界各国から安い輸入品が入らなくなれば、結局のところトランプ氏の支持層の人々の生活を圧迫することになるでしょう。

最近の相場の高騰は、「トランプ氏の経済政策への期待」と解説されるのが一般的ではありますが、その裏に潜むリスクの大きさを再認識しておく必要があると思っています。


廣澤 知子
ファイナンシャル・プランナー
CFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員

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