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10年後に笑う!マネープラン入門

2007年11月14日

定年までに1億円 本当に必要? -2-

■1億円以下で安心する方法

 前回は「退職のときに1億円もっていても安心できるわけではない」「安心
するにはプランニングが鍵」「現在の生活と退職後の生活のバランスが大切」
とお話した。
 では、どうしたら安心できるだろうか。

 第1のポイントは、予定外のことにそなえる貯蓄をリーズナブルな線に決め
ることだ。この貯蓄を私は「予備費」とか「緊急費」と呼んでいる。英語では
「エマージェンシー・ファンド」。

 1億円持っていても、1億円全部をエマージェンシー・ファンドと位置づけ
ると、生活費や余暇費として使えないので、ゆとりある生活にはほど遠い(こ
ういう人は安全なものにしか預けないし、わずかな利息にも手をつけない傾向
がある)。
 エマージェンシー・ファンドの妥当な額は生活費の1年〜2年分だと思う。

 退職後の生活費は、大ざっぱに見積もると50代前半の半分程度。住宅ローン
の返済がなくなり、子どもにかかるお金がなくなり、将来のための貯蓄の必要
がなくなり、医療保険以外の生命保険料もいらなくなるからだ。
 50代前半の手取り年収が700万円なら、退職後の生活費は年350万円程度。こ
の1〜2年分だと、350〜700万円が妥当な予備費の額といえるだろう。

 ちなみに現役時代の予備費は生活費3か月分くらいでいい。前出の例だと150
万円ほどだろう。現役時代は予備費を使っても収入から補充することができる
のでこのくらいで十分なのだ。しかし、退職後は収入が少なくなり補充がむず
かしくなるので、その数倍ないと安心できなくなる。

 ただ、予定外の出費に備えるのは貯蓄ばかりではない。入院にそなえて医療
保険に入っておく、自動車保険や火災保険を十分手当てしておく、介護になっ
たときの対策をたてておく、頼れるネットワークを作っておくなどで、予備費
を膨らませずにすむ。これもプランニングのテクニックだ。

■利息や分配金だけで、生活費を補おうとしない

 前回も話したが、利息や分配金だけで生活費を補おうとすると、かなり大き
な元本が必要になる。
 それよりも、年金保険や自動引き出し(解約)などを上手に利用して、元本
の一部を取り崩しながら生活費にあてていくのが現実的だ。

 取り崩し期間を65歳から30年と計算しておけば、ほとんどのケースで一生の
生活費をカバーできるはず。高齢になるほど生活費はかからなくなるので、95
歳まで計算しておけば105歳くらいまではカバーできるのではないかと考える。

 年100万円を30年間受け取り続けるために必要な元本は以下のとおり。
     元本取り崩し方式   利息のみ
 2%    2240万円     5000万円
 4%    1730万円     2500万円
 6%    1380万円     1680万円

 年200万円受け取りたいなら、上の数字を2倍にして計算する。

■ 運用利回りをほんの少し上げる

 上の表からわかるように、年200万円の年金を受け取りたいとき、元本を取り
崩さず利息だけを受け取る方式を選び、運用利回りが2%なら1億円必要だ。
一方、元本取り崩し方式を選び4%で運用できれば3460万円で足りる。
 ちょっとした違いで、1億円持っていても3460万円でも同じ結果=年200万円
の年金、になるわけだ。

 50代の(あるいは40代の)今から少しずつ運用の腕をみがき、プラス1%、
プラス2%の運用ができるようになるのは、一生懸命1億円を貯めるよりも、
ずっと意味のあることかもしれない。

 それとやっぱり計算。自分でいろいろ計算してみる訓練が大切だ。それがで
きれば、1億円未満でも、安心して悠々自適の生活が送れます。

中村芳子
ファイナンシャル・プランナー/アルファ アンド アソシエイツ代表
http://www.al-pha.com/fp/

※本コラムは筆者の個人的意見をまとめたものであり、マネックス証券の意見
ではありません。

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