もしかしたら、読者の方の中には会場にいらした方がいるかもしれません。
1月10日の夕方に東京のお台場で「インデックス投資ナイト」というイベント
がありました。個人投資家120人が参加し、前売り券は完売御礼。手作りで始
まった小さな企画だったのですが、当日は日経新聞やロイター、マネー誌各誌
まで取材にくる、思いがけない展開になりました。
前半はパネルディスカッション。パネラーは司会のえんどうやすゆき氏、FP
のカン・チュンド氏、経済評論家の山崎元氏、個人投資家のイーノ・ジュンイ
チ氏、経済ジャーナリストの竹川美奈子氏、そして私というメンバー。こちら
はパネラーの過激な発言もありかなりヒートアップしました。(ご興味ある方
は「インデックス投資ナイト」で検索していただくと、参加された方のレポー
トがたくさん出てきます)
■ 選ぶのは評価会社ではなく個人
このイベントの収穫は、前半のパネルディスカッションだけではなく、後半
にもありました。それは、ブログを運営している個人投資家が選ぶ「Fund of
the Year 2008」の発表が行われたことです。
これは、投信評価会社のようなプロが選んだものではなく、個人投資家が投
票によって決定しています。今までのファンド表彰とは根本的に発想が異なる
ものです。
グルメガイドに例えれば、ミシュランのようなガイドブックが評価するので
はなく、自腹で食べ歩く個人が選ぶ口コミサイトで評価するようなものと言え
ます。ブログなどを見るとわかりますが、一部の個人投資家の金融知識はプロ
顔負けのレベルに達しています。深い知識に基づき、ユーザー視点で選ばれた
彼らの評価は、ファンド選択の参考になると思います。
ロイター記事:投信ブロガーがファンド・オブ・ザ・イヤーを選定
http://jp.reuters.com/article/fundsNews/idJPnTK021817920090114
<参考>モーニングスターFund of the Year 2007
(2008年の結果は1月下旬に発表されるようです)
http://www.morningstar.co.jp/home/event/foy2007/
■ インデックスファンドは成長マーケット
昨年はマーケット全体が冴えない動きになりましたが、その中で低コストの
インデックスファンドが設定され注目を集めました。インデックスファンドを
運用している会社は、多くの場合機関投資家向けの年金運用で培った運用ノウ
ハウを個人投資家向けのファンドに応用しています。
これは見方を変えると、機関投資家の世界で進んでいた運用のインデックス
化の波がようやく投資信託でも始まったということです。
今後、個人投資家の意見が投信マーケットに影響を与えるようになり、投資
信託にコストや透明性が一層求められるようになれば、インデックスファンド
の存在感はさらに大きくなると予想されます。個人的にはインデックスファン
ドは個人金融マーケットにおける数少ない成長エリアと考えています。
■ 運用会社のインデックスバトルは個人投資家にはプラス
インデックスファンドの運用は規模の経済が働くビジネスです。アクティブ
ファンドのように大きくなると運用の小回りが効かなくなるという心配はあり
ません。残高が大きくなれば、ファンドの運用が安定し、運用コストを下げる
ことができます。つまり、早く陣取りをしたものが勝つ、ウィナー・テーク・
オール(勝者一人勝ち)の世界になっていると思われます。
現時点の国内のインデックスファンドマーケットはまだ過渡期と言えます。
古くに設定された残高の比較的大きなインデックスファンド(主に証券会社系
列の運用会社が運用)に低コストで豊富な品揃えのインデックスファンド(主
に銀行系列の運用会社が運用)が競争を挑んでいるような状況です。
インデックスファンドはコスト(ノーロードで信託報酬が低い)、品揃え
(日本株だけではなく、新興国株式やグローバルREITといったアセットクラス
も)、運用成績(インデックスとの乖離を示すトラッキング・エラー)によっ
て評価されます。
マネックス証券のノーロード(申込手数料無料)のファンド一覧
http://www.monex.co.jp/FundGuide/00000000/guest/G600/trt/character04.htm
今年も新たなインデックスファンドが登場し、健全な競争によって個人投資
家に多様な選択肢が提供されるのではないでしょうか。
「Fund of the Year 2009」がどんなファンドになるのか?今から楽しみです。
今回の話のまとめ---------
■ 個人投資家がファンドの評価をする動きが始まった
■ インデックスファンドに注目が集まっている
■ 2009年は運用会社各社のインデックスファンド競争が本格化する
ではまた来週・・・。
(本コラムは、筆者の個人的意見をまとめたもので、筆者の所属する組織の公
式な見解ではありません。)
内藤 忍
株式会社マネックス・ユニバーシティ 代表取締役社長
http://www.monexuniv.co.jp

