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資産設計への道

2011年08月12日

その479 円高は外貨投資をはじめる好機、ただし決め打ちは危険

円高が進んでいます。直近ではドル円で70円台後半ですが、もしかしたら、さらに円高が進み、最高値を更新して、1ドル70円台前半になるかもしれません。株価も乱高下を続けており、投資家の不安心理は高まっています。

過去の経験から言えることは、このような時にマーケットと一緒に感情的になって取引をするのは賢明ではないということです。

例えば、2008年のリーマンショック後の株価の急落や、9.11の時の市場のパニック、あるいは古くは1987年のブラックマンデーの頃を思い出してみましょう。渦中にいるときは市場は総悲観に包まれ、株式相場は当分はダメだと市場参加者は見ていました。しかし、後から見れば、このような時こそ、投資のチャンスでした。(ちなみにリーマンショック後の日経平均は7000円台前半まで下落しました)

相場が急変した時に大切なことは、目先のことを考えないで自分の投資期間で想像してみることです。長期投資を実践しているのであれば、自分の投資スパンである10年後、20年後に振り返った時、現状の相場の動きはどう見えるのか?ということです。

一日で日経平均が15%近く下落したブラックマンデーでさえ、20年以上経って振り返れば、当時パニック状態になっていたことが、結果としては得策ではなかったことがわかります。10年先を考えて、下がったところでも冷静に判断するのが、最善の行動なのです。

投資とは他の投資家との心理ゲームと考えることができます。市場参加者の多くが弱気になれば、本来の価値よりも価格は安くなります。しかし本質的な価値が無くなったのではなく、単に心理的な問題で売られているのであれば、割安に買えるチャンスになるのです。

需要と供給で価格が決まる株式市場では、世の中の常識とは違う行動をすることが成果につながるのです。

■ 円高は外貨投資のチャンス?

実は随分前からずっと準備を続けてきた新刊書籍が今月末に発売されます。「【新版】内藤忍の資産設計塾 外貨投資編」という外貨投資の書籍です。以前出版した旧版を全面的に改訂し、データも一新した内容になっています。

円高が進み、外貨に対する投資家心理が冷え込んでいるこのタイミングで出版するのは、出版社としては商売にならないのではないかと心配のようですが、個人的には読者の皆様には良いタイミングで情報提供できると思っています。

それは先ほど書いたように、投資はブームの時に人を見てマネをするべきではなく、誰もが見向きもしなくなった時こそ良いタイミングであることが多いからです。

■ 外貨投資商品の幅は大きく広がっている

外貨投資編というタイトルが入っている新刊ですが、為替の予想をするのが目的の書籍ではありません。真っ当な外貨投資を実践するためのガイドブックを目指しました。

この数年で、日本の個人投資家に提供される外貨運用商品のバリエーションは大きく広がりました。

例えば、マイクロファイナンスという投資手法があります。これは小口の資金をあまり裕福ではない個人に貸し付ける金融サービスですが、発展途上国向けに行っているこのようなサービスに米ドル建てで投資をする商品が登場しています。

あるいは、以前このコラムで紹介したことのあるワインファンドも注目を集めています。これはフランスの高級ワインに投資をするファンドですが、ユーロの為替リスクのある外貨投資商品になります。ワイン市場は中国からの需要の急拡大によって市場が活況を呈し、現地のワイン価格も上昇しています。

外貨投資と言っても、外貨預金やFXだけを活用している時代は終わろうとしています。商品選択も重要なポイントになっているのです。

■ 外貨投資をやっていない人には円高は良いきっかけ

日本人の個人金融資産の95%以上は円資産に偏っています。円高はそんな歪んだ資産配分を修正していくのに良いタイミングだと思っています。外貨資産を持たないリスクを考え、資産の一部を外貨で保有するという発想をもっと多くの人が持つべきだと思っています。しかし円高だからと言って、一気に投資をするのではなく、時間分散を忘れてはいけません。

為替の動きはプロでも予測できない難しいものです。外貨投資もドルの最安値をピンポイントで狙うのではなく、まずはじめてみて、さらに円高になったらさらに外貨資産を積み増すという方法が賢明です。

今は、ドル、ユーロからの逃避先として円が選択されています。しかし、これからもずっと円が安全資産として逃避先になるとは限りません。今回の円高は日本人が外貨投資を始めるためにマーケットが与えてくれた最後のギフトとなるかもしれないのです。

今こそ円資産への集中のリスクを真剣に考えてみてください。

今回の話のまとめ---------

■ 円高は外貨投資をはじめるきっかけにできる

■ 外貨資産は持たないことがリスク

■ 為替も株式同様、投資タイミングを考えないで分散する

では、また来週・・・。

(本コラムは筆者の個人的意見をまとめたものであり、筆者の所属する組織の意見ではありません。)

内藤 忍

株式会社マネックス・ユニバーシティ

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