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臼田琢美のマーケット万華鏡

2017年06月09日

第10回 個別銘柄の投資判断や分析に役立つオススメの○○○○資料!株式投資でもっとも面白くてヒントだらけでワクワクする【マーケット万華鏡】

株式投資を行う際に、ぜひオススメしたいいくつかのことの内の、トップクラスにオススメしたい一つについて今回はお話しします。個別銘柄を「投資すべきかどうか?」「継続か売却か?」と分析する上でとても役立つもの。個人的には株式投資において、もっとも面白くてヒントだらけでワクワクする資料だと思っています。それは、「決算説明資料」です。

「決算説明資料」は、作成が義務づけられているものでは無く、作る作らないは企業の自由です。ですから「決算の内容や将来展望等を投資家に分かりやすく説明しよう」という意思がなければ、別に作成しなくても良いのです。企業のIRのページに行って決算説明資料が無ければ、個人的には投資対象としての興味が激減してしまいます。投資判断のために役立つ資料が無いわけですから、それだけ判断が難しくなってしまうと思うからです。

テーマやニュースなどで初めて知る銘柄や気になる銘柄を見つけた場合、チャートを見た後はその企業のWebに行って、会社の概要や事業内容等を見ると共に決算説明資料を見ます。「決算短信」は決められたフォーマットで決められた内容が記載されていますが、決算説明資料はすべてが自由!工夫をこらすも、おざなりにするも、言いたいことを言うも、ごまかすも、すべては企業次第ですから、これほど端的に企業の姿勢や意識やメッセージが表れるものはないでしょう。

数字の羅列で、面白く無かったり分かりにくい決算も、普通は分かりやすくグラフや表でコメント付きで説明されています。特別な知識や能力が無くても概ね理解できるはずです。理解しにくかったら、それは企業の説明に改善や工夫の余地ありと言うことです。


株式会社ペッパーフードサービス 2013年12月期 決算説明会 2014年2月26日

株式会社ペッパーフードサービス 2014年12月期 中間決算説明会 2014年8月27日

例えば、これはペッパーフードの約3年前の決算説明資料です。こうやって過去の資料も見て、時系列でチェックするのもオススメです。業績予想と達成状況にパターンはあるか?メッセージに変化はあるか?など多くのヒントがあります。
このペッパーフード、ちょうどこの頃に色々改革し、売上/利益が底打ちから反転している状況。そこに新たな業態である「いきなりステーキ」を立ち上げ流行り始めるところです。


株式会社ペッパーフードサービス 2015年12月期 中間決算説明会 2015年8月28日

株式会社ペッパーフードサービス 2015年12月期 決算説明会 2016年2月26日

それまでの改革から「いきなりステーキ」の成功もあって、顧客満足や従業員満足への言及が表れ、次のステージに移ったことが窺われる。業績だけで無く、こういった企業の方針やテーマの変化を見ていくのも、とても面白いですしヒントになります。


株式会社ペッパーフードサービス 2016年12月期 決算説明会 2017年2月24日

冒頭、「いきなりステーキ」のNY出店の写真4枚!どうですか?時系列で見ていくと分かりやすいし面白いでしょ?(笑)
後半の施策/メッセージもさらに進化しているのが分かります。


続いてはニチレイです。

2014年5月14日 説明会 2014年3月期 期末決算説明会資料 株式会社ニチレイ

2015年5月13日 説明会 2015年3月期 期末決算説明会資料 株式会社ニチレイ

2016年5月11日 説明会 新中期経営計画「POWER UP 2018」 説明会資料 株式会社ニチレイ

2017年5月10日 説明会 2017年3月期 決算説明会資料 株式会社ニチレイ

さすが大企業らしく、しっかりと分かりやすく網羅されていています。良くても悪くても、同じものを開示していると正直で安心感が湧きます。都合の良いものばかりを出し、悪くなったら引っ込めるような企業はとても信用できないと思います。

以前、「実態は金融業じゃないか」と揶揄されていた某ネット企業が、ある時この決算説明資料に「次回からこの事業はネット事業に分類します」と小さく※印で記載していました。それはネット金融事業で、それまでは当たり前ですが金融事業に分類されていたものを、次回からはネット事業に分類すると。批判を表面的に避けるためのつまらない工作です。そういう所に企業の体質が如実に表れます。後年、その企業は上場廃止になりました。

第19期(2014年3月期) 決算説明会 トレックス・セミコンダクター株式会社

これはもはや名作!伝説の決算説明資料です。(笑)
中盤からの怒濤の劇画は熱い思いの表れ!この後、株価も2014年後半にかけて上昇(その後は調整からもみ合い)。たまにこういう名作に出会えるからたまりません。

まぁ、これは極端な例にしても、本当に何にも無くてつまらないものもあります。良い意味で、マジメで実直で面白く無いならまだいいですが、やる気無く惰性を感じるようなものは残念ですね。実際にミスで白紙のページがそのままアップされている企業もありました。誰もチェックしなかったのか?アップされてから誰も見なかったのか?色々なものが透けて見えそうですね。

逆に、とにかく良く見せよう、大きく見せよう、と虚栄心の塊のような企業もあります。決まりが無く自由に作成出来るだけに、良くも悪くも企業の姿勢や考え方や伝えたいことがダイレクトに感じ取れます。決算の説明はもちろんですが、それ以外の部分に大いにヒントがあります。ぜひ、多くの企業の決算説明資料を見て投資判断に役立ててください。

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日経平均2万円、東証1部時価総額600兆円。一つのメドとなる水準になりました。極端な過熱感は無く、PERで言えば日経平均は14倍台、東証1部で15.5倍程度。米英独香港など、他国の株価指数と比べて、相対的にPERの低さが目立つくらいです。様々なリスクや懸念事項はあれど、一服しつつも下がりにくい状況から変化が見られるかどうか? ニコ生でお話ししていきます。

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万華鏡はいくつものスコープスタイルとミラーシステムの組み合わせで、様々な美しい模様を作り出しているそうです。投資やマーケットにおいても様々なスタイルやシステムで異なったアプローチが可能ですし見える風景も違ってきます。色んな人が資産運用を行う上で固定観念にとらわれずマーケットや情報サービスやツールや手法等を活用するヒントをお伝えしたいという思いで「マーケット万華鏡」と名付けました。投資の考え方からマーケット動向のお話やツールの使い方まで、その時々で万華鏡のようなカラフルなテーマをお届けできればと思います。

万華鏡の種類

http://www.brewster.co.jp/type/

コラム執筆:臼田琢美 マネックス証券株式会社 執行役員営業部長

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