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臼田琢美のマーケット万華鏡

2017年07月21日

第16回 偏向や意図に惑わされない正しくて役立つ情報の見分け方/マーケット【マーケット万華鏡】

偏向報道、報道しない自由、が話題です。そのようなメディアのみを視聴していると実態や事実が把握できないばかりか、誤った理解や思考が蓄積され正しい判断や行動を阻害しかねません。実はこれ、資産運用に関しても似たようなことが頻繁にあります。それは、意図的に誘導しようとするものもあれば、あくまで善意で心から正しいと思って語られているけど実際には問題があるケースもあって厄介です。

まず「意図があるケース」ですが、これは語っている人が何を目的に語っているかを考えることです。例えば、タクシー会社の人が電車のメリットばかりを語り電車に乗るよう誘導するでしょうか?そんなことはありませんよね、当然タクシーの良さを伝えようとするはずです。資産運用において言えば、投信会社の人がデイトレード等の短期売買を一番にオススメすることはまず無いはずです。投信でそんなことは出来ないまたはやりづらいですから「短期売買が良いよ」と言っても投信の売上アップには繋がらないでしょう。投信の場合は残高に応じた信託報酬が収入源ですから、投信会社にとっては売買してもらうことより、ずっと保有したままでいてくれる方がメリットが大きいわけです。ゆえに長く保有してもらうための話が多くなるのが普通です。

逆に、FX会社は基本的に売買を多くしてもらった方が収入が増えるので、じっくり持つ話より売買回数が多くなる話を中心に、展開するケースが多くなるはずです。他にも、ニュースや情報提供会社の人が「情報なんて見なくていい」なんて普通は言わないでしょうし、証券会社や銀行の人が「資産運用なんてしなくていい」とは普通言いません。このように語っている人の属性からおおよその目的が推察できます。これは別に騙しているとか、嘘をついてるという話で無く、当然のことです。少なくとも資産運用や投資をしようという人は、誰しもが自分の利益のために言動していると理解し、それが自分にとって有益かどうか吟味する姿勢を常に持っていなければなりません。ウブで何でも正直に受け取って、というのはここでは美徳ではありません。逆に斜に構えすぎも良くないです。相手が利益を求めるのは当然だし、然るべき利益がなければそれは継続できないし発展できません。ウブすぎずガメつすぎず、お互いが妥当な利益を求めているか考えましょう。

次に、特定の意図は無くよかれと思って語られるケースです。これは単純に言って「正しい」「正しくない」の2種類があります。実際には「どちらとも言えない」もありますが単純化のために省きます。次に、自分にとって「役立つ」「役立たない」の2種類とします。「正しくない」けど「役立つ」ものもあるかもしれませんが、それは結果論であり当然好ましくありません。つまり、有益なのは「正しい」もので「役立つ」ものだけ。分類すると実は結構不要なものが多いことが分かります。

正しいかどうかは常に検証すべきですが、詳しくないことについては誰しもその判断は難しいものです。努力はすべきですが正しいかどうかの自分の判断は間違う可能性もあると考えておくべきです。しかし、「役立つかどうか?」は自分の事ですから、より正しい判断がしやすいはずです。ですので、突き詰めれば自分にとって役立つものを中心に取り入れていけば概ねOKです。

例えば、仮に貴方が20歳代で500万円の貯金はあるけど投資をしたことが無く、初めて10万円だけ投資をしてみようと思っているとします。この際、「国際分散投資」の必要性はどれだけあるでしょうか?高齢者が老後の生活資金を運用していたり、巨額の機関投資家の運用であれば、幅広く分散することは必須でしょうが、これからの人生で収入も充分見込め、余裕資金も充分にあり、少額の投資であれば、リスク分散する必要性はかなり乏しいはずです。このようなケースでは「正しくても役立たない」知識と言うことになります。

金融の専門家でも、何でもかんでも教科書的な常識を正しいからと万人に知識を開陳しますが、本来はもっとケースバイケースであることを合わせて伝達すべきですし、もっと対象者に合わせたきめ細かい話をすべきだと思います。意外と金科玉条のように当たり前と思っている常識が、役立たなかったり重要では無かったりするものです。それが冒頭の「意図があるケース」と絡んでいればなおさらに。

◆マーケット動向

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ご覧のように狭いレンジでのもみ合いが続き、ボリンジャーバンドも+3σから-3σまで476円幅しかありません。ちなみに5月中旬の拡大していたときは3500円以上の幅がありました。個別株で材料が出た銘柄は一気に跳ねるものの、上ひげで行ってこいとなるケースもあり、「そろそろ動きたい」けど「警戒心も強い」状態なのがありありと分かります。こうなると「動いた方向に乗る」のが定石ですが、なんとも積極的に行こうと思いづらい感があります。分かりづらいやりづらい局面。相場的にはやはり為替の方がやりやすそうです。


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万華鏡はいくつものスコープスタイルとミラーシステムの組み合わせで、様々な美しい模様を作り出しているそうです。投資やマーケットにおいても様々なスタイルやシステムで異なったアプローチが可能ですし見える風景も違ってきます。色んな人が資産運用を行う上で固定観念にとらわれずマーケットや情報サービスやツールや手法等を活用するヒントをお伝えしたいという思いで「マーケット万華鏡」と名付けました。投資の考え方からマーケット動向のお話やツールの使い方まで、その時々で万華鏡のようなカラフルなテーマをお届けできればと思います。

万華鏡の種類

http://www.brewster.co.jp/type/

コラム執筆:臼田琢美 マネックス証券株式会社 執行役員営業部長

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