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ファンドマネージャーの相場観

2011年09月06日

ファンドマネージャー蛭川修一の相場の見方

足元の株式市場は引き続き値動きの荒い神経質な展開が続いています。欧米を中心として世界経済の先行き懸念が高まっている一方で、米国の金融政策を筆頭とした各国の政策支援の発動に対する期待が市場の下支えとなっているためです。

8月の株式市場は、7月の最大の焦点であった米国債務上限問題はひとまず合意に至り安心感が広がりましたが、7月のISM製造業景況指数が低調になるなど米国景気の減速懸念が高まったことに加え、米格付け会社による米国債格下げ、欧州財政問題への懸念の高まり、グローバルでの景気への先行き懸念が広まったことなどから、世界同時株安の様相を呈しました。

また投資家のリスク回避姿勢に伴う円高の進行・定着が日本の輸出関連銘柄に大きな打撃となりました。その後、バーナンキFRB(連邦準備制度理事会)議長が講演にて、必要に応じて追加金融緩和策に動く可能性を示唆したことや、大幅な株価下落に伴うバリュエーション指標面の割安感などから、株式市場は反発する局面もありましたが、8月の雇用統計が市場予想を下回り、景気見通しの悪化懸念が再び意識されるなど株価の下値不安は継続したままです。

現在の最大の焦点は、主要国の政策対応です。米国のオバマ大統領による雇用対策の内容やFRBによる追加金融緩和策の有無、日本の野田新政権による第3次補正予算や円高対策の中身、欧州や中国の金融政策のスタンス、などが注目されます。最も注目されるのが米国の政策内容ですが、雇用対策については財政支出の拡大を背景に共和党が反対する可能性があること、金融緩和策については物価上昇懸念などの副作用を理由にFRB内で意見が分かれる可能性があること、などを考慮すると市場が期待しているほどの政策内容には至らないリスクがあることに留意が必要です。

ただ現時点は、金融市場の混乱が実体経済の減速・悪化を助長させてしまう負の連鎖を断ち切れるかどうかの正念場に差し掛かっているため、機動的かつ効果的な政策対応を期待したいところです。

こうした中、株式市場は欧州の財政問題や世界景気の先行き懸念などのマイナス要因と、各国の政策対応期待やバリュエーション指標面での割安感などのプラス要因が綱引きとなる、値動きの荒い神経質な展開が継続すると思われます。当面は、主要国の政策対応の中身に加えて、先月の世界同時株安に伴う消費者・経営者心理の悪化が今後発表される経済指標にどの程度反映されているのか、ここ最近の円高の進行や需要予想の変化により製造業のサプライチェーン(供給網)障害からの生産回復効果がどれぐらい低減してしまうのか、などが焦点になると思われます。このように外需を中心に企業業績予想が従来よりも低下するリスクが残る中では、景気抵抗力又は成長ポテンシャルのある内需関連銘柄、株主還元が充実している銘柄、補正予算の恩恵を享受できる銘柄、短期業績不安はあるものの環境対応・新興国需要など中期的な成長シナリオを有し、バリュエーション指標に投資妙味がある景気敏感銘柄、などに注目したいと考えています。

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蛭川修一

みずほ投信投資顧問株式会社にてMHAM株式オープンの運用を担当。


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