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ファンドマネージャーの相場観

2011年09月21日

ファンドマネージャー田中裕之の相場の見方

ここもとの国内株式市場は、海外要因に一喜一憂しながら底値圏でもみ合う展開となっています。ただし、悪材料の発信地でないこともあり、7月末以降の下落率は欧米主要国の株式市場ほど大きくなっていません。海外の悪材料とは、欧州の信用不安と米国の景況感悪化のことです。これらを取り巻く諸事情が悪化を続けるか、それとも最悪期を脱することができるかは、底値を探る展開となっている国内株式市場が今後反転の機会を得るかどうかを考えるうえで重要と見ています。

欧州の信用不安について言えば、ギリシャの金融支援に向けた取り組みは難航しています。ギリシャ政府は、支援条件の財政赤字削減目標を達成しようとすれば景気が悪化して税収が減少し、景況感に配慮して財政規律を緩めれば追加支援を受けられなくなるというジレンマに陥っているようです。支援するEU(欧州連合)加盟国においても、担保の扱いや支援策の批准日程をめぐり意見の相違が生じています。

こうした動きをうけ、9月にはギリシャ2年国債の利回りが50%を超えるなどデフォルト(債務不履行)懸念が強まり、関連債権を保有する一方で預金による資金調達基盤が弱いとみられる仏大手銀行の信用不安にも波及しました。日米欧の中央銀行が15日に発表したドル資金供給策は民間への信用不安拡大を抑えるという観点から安心感を与えるものでしたが、南欧財政問題の根本的な解決に向けた進展が遅れていることに変わりありません。今後も政治日程をにらみつつ神経質な展開が続くと思われます。

米国の景況感について言えば、景気減速を示唆する経済指標の発表が増えてきており、政策対応の重要性が高まっていると考えます。財政面では、オバマ米大統領が8日に発表した約4,500億ドルの景気対策は事前予想を上回る規模となりましたが、一方で法案が議会を通過するかどうか不透明であること、債務上限引き上げ法に基づく財政赤字削減にも取り組む必要があることなどから、市場の反応は軽微にとどまりました。金融面では、20-21日のFOMC(連邦公開市場委員会)で実効性のある追加的緩和策が発表されるかどうかに注目しています。

このように外部環境の不透明感は強く、すぐに払拭されるとは考えにくい状況です。したがってリスク回避による需給悪化に留意する必要はあるものの、景気ディフェンシブ業種(株価が景気動向に左右されにくい業種)や、独自のビジネスモデルで持続的な成長が見込める個別銘柄への物色が続きやすいと見ています。一方で、株価純資産倍率が下支え要因になることを勘案すれば、外需関連でも中長期的視点から競争優位性の高い銘柄に選別投資するチャンスと考えます。

さて、今月で当コラムは終了予定と伺っております。前任も含めますと10年以上にわたりお世話になりました。ご愛読いただいた皆様に改めて御礼申し上げます。ありがとうございました。

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