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広木隆の「新潮流」

2015年05月12日

【新潮流】第226回 見は有利なしのぎ方ではない

◆競馬ファンにとって5月は1年のうちでもっとも胸躍る時である。クラシック戦線は舞台を東京競馬場に移し、いよいよオークス(24日)、ダービー(31日)の開催を迎える。3歳馬の頂点、「優駿」を決する競馬界最高の祭典である。野球でもアメリカンフットボールでもどんな競技についても言えることだが、「頂上決戦」だけ見ても意味はない。そこに至るまでのプロセスを知らなければ観戦の醍醐味は半減する。特に競馬のように賭けの当たり外れも楽しみのひとつであるようなイベントではなおさらである。オークスやダービーに向かうトライアル・レースがある。それらを観てこないと予想がたてられないのである。今年のオークス、ダービーは獲れる気がしない。

◆無論、僕はすべてのトライアル・レースを観てきた。だが馬券を買っていない。これが決定的な致命傷だ。ただ観るだけではだめなのである。おカネを賭けて観ないとだめなのだ。『麻雀放浪記』の作者・阿佐田哲也は「見は有利なしのぎ方ではない」という。<丁半博打で「見」は、金を張らずに勝負の様子を見る状態である。だが、微妙な勝負の綾が、ツキの流れが、降りた状態では見えないのである。人間は思ったより鈍感だ。綱渡りの綱の上にいないと、センサーが鈍ってしまう。ちゃんと金を張って、読みを外せば怪我をする状態にしておくのだ。>(阿佐田哲也『麻雀狂時代』)

◆博打に限らず、投資でも同じである。世界最強のヘッジファンド投資家、ジョージ・ソロスもまったく同じことを言っている。<ソロス氏の口癖は「Invest, then investigate (投資してから調査せよ)」というものだった。どんなに事前の調査を行っても、実際に投資をしてその渦中に身を置かなければ、正しい判断はできない。>(阿部修平『株しかない』)

◆というわけで、今年の中央競馬のクラシック戦線は「見」できたから勝てる気がしないのである。ずっと降りた状態だったから勝負の綾やツキの流れが見えないのだ。そのわけは、もうひとつの「主戦場」、株式相場が忙しくて競馬にまで手が回らなかったからである。おかげで良いこともあった。それは例年の不戦敗パターンを避けられたことだ。例年の不戦敗パターンとは、トライアル・レースで惨敗してメインのオークス・ダービーにいくまでに軍資金が尽きてしまうことである。

マネックス証券 チーフ・ストラテジスト 広木 隆

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