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信用取引を上手に活用する方法

2012年08月21日

第25回 株価と信用取引の評価損益率の関係を探る


株式会社インベストラストの福永博之です。前回、「信用取引の評価損益率」についてお話ししましたが、今回はこの信用取引の評価損益率についてさらに詳しく解説していきたいと思います。

2012年8月16日付け日本経済新聞によると8月10日申し込み時点での信用取引の評価損益率は、3日時点の-19.69%から-18.15%にマイナス幅が縮小し、損益率の改善は6週間ぶりのことだと伝えています。

この間の週足の株価動向を見ると信用取引の損益状況との関係がよくわかります。
例えば、2012年8月10日の週から数えて6週前は6月29日の週になりますが、この翌週に日経平均株価、TOPIXともに高値を付けました。

また週足ベースのその後の株価は両指数ともに8月3日の週まで下落して取引を終え、同10日の週末にやっと週足ベースで株価が反発し、損益率が改善しています。

その間の信用取引の残高もチェックしてみると、以下のグラフのように6月29日の週の株数ベースの買い残高が3,805,799千株だったのに対し、株価が下落するなかで買い残高が7月20日の申し込み分まで増加しています。これは株価の反発を予想したいわゆるナンピン買いだったのではないかということが推測されます。

また、その後8月3日まで株価が下落する過程で買い残高が減少したのは、ロスカットなどの返済が行われたためではないかと考えられます。

そして、損益率が6週ぶりに改善した10日申し込み週でも買い残高が減少していますが、ここではどのような投資行動がとられたと考えればよいのでしょうか。

推測するに、下落したところで買った投資家が利益確定売りを行ったことや、戻り売りが出て残高が減少したのではないかと考えられるのです。

このように株価が安値から反発する過程で買い残高が減少するのはよく見られる傾向ですが、これには理由があります。それは、これまでも解説してきましたように信用取引で買っている投資家は利益が出ると早めに売りを出す傾向があるため、買い残高として残らないということなのです。

また損益率でも3日時点の-19.69%から-18.15%から1.54%改善していたのですが、日経平均株価の終値では、8,555円11銭から8,891円44銭まで336円33銭上昇し、率に直すと3.93%と、信用買い残の評価損益率より高いのがわかります。実は、この差が利益確定による残高減少によって見えなくなった利益率の部分ではないかと考えられるわけです。

もちろん投資家一人ひとりの利益額を追いかけているわけではありませんので、厳密に言うとずれがあると思われますが、十分考えられることだと思います。

さて、このように損益率が改善しつつ、買い残高が減少することで株価の重石となる返済売りが減少するとともに株価の反発が続くことになると考えられるわけですが、個人投資家が市場全体の株価動向を予測したい場合、今回紹介しましたように買い残高の推移と信用損益率の推移とをあわせてチェックすることで、株価の先行きを予測するのに役立つのではないかと思われますので、信用取引を行っていない投資家の方も是非毎週確認してみてはいかがでしょうか。

コラム執筆:福永 博之

株式会社インベストラスト代表取締役。IFTA国際検定テクニカルアナリスト。ビジネス・ブレークスルー大学 オープンカレッジ 株式・資産形成講座 講師。勧角証券(現みずほインベスターズ証券)、DLJdirectSFG証券(現楽天証券)、同証券経済研究所チーフストラテジストを経て、現職。現在、投資教育サイト《アイトラスト》の総監修を務める。ラジオNIKKEI、テレビ東京、TOKYO MXテレビ、CS日テレなどの株式関連番組にレギュラー出演。マネー雑誌の連載のほか、執筆多数。最新刊『めちゃくちゃ売れてるマネー誌ZAiが作った「株」チャートらくらく航海術』(ダイヤモンド社刊)では、チャート分析の基本中の基本、ローソク足に徹底的にこだわって騰がる株を見つける方法をわかりやすく解説し、好評を博している。

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