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信用取引を上手に活用する方法

2012年09月04日

第27回 信用取引を上手に活用する方法 株価と評価損益率の関係を探る3

株式会社インベストラストの福永博之です。今回は株価と評価損益率の関係を探る最終回です。前回、「評価損益率が20%を下回ってくると株価の底入れが近いことを表し、一方、高値近辺ではマイナスが一桁まで改善してくると、株価の天井が近くなっていることを表しているように思われます」と書きましたが、この数字だけを見ていると、信用取引はあまり儲からないのではないかと思われるかもしれませんが、実はそうではありません。

過去にもお話ししたように、信用取引は保有しているだけで金利などのコストが発生するため、利益が出るとすぐに返済する行動をとります。したがって、プラス部分はすぐに返済され、評価損益率に反映されないのです。

では、過去に評価損益率がプラスになったことはないのでしょうか?いいえ、ちゃんとあるのです。一例ですが、2005年11月4日申し込み分の評価損益率が+0.63%だったのです。このときの実際の株価動向はどうかと見てみると・・・。
 
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上記のように2005年9月後半から10月下旬にかけてのもみ合いを上放れ、さらに2006年4月第1週に1783.72ポイントの高値を付けるまで株価は上昇していたのでした。もちろんこの間、評価損益率はプラスが続いていたのは言うまでもありません。

通常では利益が出ている建て玉から返済していくものですので、評価損益率がマイナスになっているのがいわば当たり前で、プラスになることはめったにないのですが、当時はプラスのまま放置されていたと考えられます。
ただ、このプラスの状態を喜んでばかりはいられません。なぜなら、このように評価損益率のプラスが続くということは市場の過熱感を表すことになり、一旦下落が始まるとスピードの速い下落が起こることになるからです。
実はこのあと、2006年1月に皆さんもご存じのライブドアショックといわれる株価の下落が起こりました。最初、ライブドアショックによる下落は新興市場だけと思われていましたが、チャートに示されているように、東証1部銘柄にも売りが広がり、一時的に大きな下落となりました。

こうした経験則を踏まえ、ここで注意しなければならないことは、評価損益がプラスになると、投資家のほとんどが含み益を持っていると考えられると同時に、それら含み益を抱えた投資家が一気に売りに回ったとき、その売りを吸収できるだけの買い注文がなければ、相場は天井を付けてしまう可能性が高くなるということなのです。
当時も下落から立ち直り、06年4月まで上昇を続けましたが、その後は大きく下落する展開になっているのがわかります。
今はそうした心配は必要ないかもしれませんが、株式市場が活況になったときや売買高が膨らんだときなどに評価損益率がプラスになっている場合、下落に対する備えが必要だということを是非覚えておいてください。

コラム執筆:福永 博之

株式会社インベストラスト代表取締役。IFTA国際検定テクニカルアナリスト。ビジネス・ブレークスルー大学 オープンカレッジ 株式・資産形成講座 講師。勧角証券(現みずほインベスターズ証券)、DLJdirectSFG証券(現楽天証券)、同証券経済研究所チーフストラテジストを経て、現職。現在、投資教育サイト《アイトラスト》の総監修を務める。ラジオNIKKEI、テレビ東京、TOKYO MXテレビ、CS日テレなどの株式関連番組にレギュラー出演。マネー雑誌の連載のほか、執筆多数。最新刊『めちゃくちゃ売れてるマネー誌ZAiが作った「株」チャートらくらく航海術』(ダイヤモンド社刊)では、チャート分析の基本中の基本、ローソク足に徹底的にこだわって騰がる株を見つける方法をわかりやすく解説し、好評を博している。

ダイヤモンド社からテクニカル分析の本を出版しました。『FX一目均衡表 ベーシックマスターブック』(2月10日発売)一目均衡表の書き方から分析手法まで、これまでにないくらい詳しく書かれた本です。中には「一目均衡表は分足トレードでも有効か?」とか、一目均衡表を「座標軸で考える」などという、私なりの分析も書いてありますので初心者の方から実際に一目均衡表を活用されている方まで、読みごたえのある本になっています。

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