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信用取引講座~2013年1月の制度変更~

2012年11月20日

第3回 信用取引の制度変更から可能となる戦略について②(デイトレード①と回転日数)

株式会社インベストラスト福永博之です。今回は、回転売買についてデイトレードをベースに考えます。前回お話ししましたように、決して回転売買を助長したり、推奨したりしようとしているわけではありませんので、くれぐれも誤解のないようにお願いいたします。
では、回転売買とはどういうものなのか、から考えてみましょう。

たとえば昼間働いている人が株価をご覧になるのは、一日に1回か2回、またはまったくご覧にならないこともあるのではないかと思います。そうした人が株主優待や配当、値上がり益を狙って株に投資する場合、回転売買というイメージすら頭にないのが実際のところではないでしょうか。

回転売買とはどういうものかと言いますと、「一日に何度も売買を繰り返してさや取りを行う」ことを指します。また、これをデイトレードとも呼んでいます。デイトレードの場合、このさや取り取引を日中何度も繰り返します。
敢えてデイトレードと定義される理由は、一般的な投資法とは異なり、買いポジションや売りポジションを翌日以降に持ち越さないことにあります。
なぜなら、デイトレードをする人たちの考えは、株式を保有することにリスクがあると考えているため、なるべく日中の間に売買を完結してしまい、いわゆるオーバーナイトリスク(例えば、買いポジションを持ち越した場合、夜の間に海外で何か悪いことが起こって株価が値下がりしてしまうようなリスク)を取らないようにしているためです。

ただこれまでは、そうしたデイトレーダーも何度か売買を繰り返せば信用取引に当日使用可能な保証金に制限がかかってしまい、どこかで取引がストップしていたわけですが、今後はそうしたことが起こらないため、保証金(現金のみ)の範囲内であれば、極端に言うと無制限に売買を行うことができ、売買高が大幅に膨らむことが予想されます。

また、今ここでお話ししていることは、外国人投資家が運用するヘッジファンドなどにも適用されるわけですから、彼らがプログラムを組んで売買する個別株においても、益々レバレッジを効かせて多くの売買を仕掛けてくることが考えられるのです。

では、そうしたことをどのように見分ければよいのでしょうか。配当や値上がり益狙いの人は日中の値動きにあまり影響を受けることがないかもしれませんが、デイトレーダーや一般の投資家が見るべきポイントがあります。それは約定回数と売買高の変化です。
たとえば約定回数では、これまで1分あたりに直すと10回程度だったものが、50回や100回に増えることだって考えられます。

また、約定回数が増えることで売買高も膨らむことになり、1月の制度改正後とその前とで同じ銘柄でも売買高や売買代金の水準が変わってくることが考えられるのです。
前述のデイトレーダーはそうした流動性の高まった銘柄の方が売買しやすいために、そこに集まることが予想されますし、また上昇銘柄の中で回転売買が激しくなる一方で、回転売買が激しくなりすぎると、思わぬ急落が襲ったりすることが考えられ、普通の投資家にも影響が出てきます。

なぜなら、レバレッジを効かせて売買しているなかで大きなポジションをもったまま株価が崩れ出した場合、相場が崩れた後を追うようにデイトレーダーや短期売買を主とするヘッジファンドの売りなどが固まって出てくることが考えられるからです。
そうなりますと、現物株を持っている投資家もそうした動きに巻き込まれてしまうことになり、業績が良くても気がついた時には急落していて塩漬けになってしまったり、怖くなって売却したあと、今後は逆に反発するなどといった値動きに翻弄されてしまうことが考えられるのです。

ではそうした動きを、一般の投資家はどのように察知すればよいのでしょうか。実は良い指標があります。それは、「回転日数」と呼ばれるものです。これは、いわゆる過熱感を表す指標で、信用取引の買いまたは売りの建玉を作ってから返済までの日数を表したもので、日数が短くなればなるほど、短期売買が行われていることを指し、株価の思わぬ急落を知らせる注意シグナルになっているのです。目安としては、回転日数が5日より短くなると過熱気味と考えられていますが、回転売買が短くなりますと3日や2日というような事態も起こってくるのではないでしょうか。

以上のことから、回転売買はデイトレーダーと一般に中長期で株を保有しようと考えている投資家の両方に影響を与えることになりますから、そうした値動きに翻弄されないように知っておく必要があるわけです。

ただ、今回の話は急落を例にしましたが、逆に急上昇などということもあるわけですので、悪い影響だけではないということを最後に申し添えておきます。
さて、そこで次回ですが、次回はこうした回転売買が与える影響を踏まえながらどのような銘柄選びをすればよいのか考えていきたいと思います。

コラム執筆:福永 博之

株式会社インベストラスト代表取締役。IFTA国際検定テクニカルアナリスト。ビジネス・ブレークスルー大学 オープンカレッジ 株式・資産形成講座 講師。勧角証券(現みずほインベスターズ証券)、DLJdirectSFG証券(現楽天証券)、同証券経済研究所チーフストラテジストを経て、現職。現在、投資教育サイト《アイトラスト》の総監修を務める。ラジオNIKKEI、テレビ東京、TOKYO MXテレビ、CS日テレなどの株式関連番組にレギュラー出演。マネー雑誌の連載のほか、執筆多数。最新刊『めちゃくちゃ売れてるマネー誌ZAiが作った「株」チャートらくらく航海術』(ダイヤモンド社刊)では、チャート分析の基本中の基本、ローソク足に徹底的にこだわって騰がる株を見つける方法をわかりやすく解説し、好評を博している。

ダイヤモンド社からテクニカル分析の本を出版しました。『FX一目均衡表 ベーシックマスターブック』(2月10日発売)一目均衡表の書き方から分析手法まで、これまでにないくらい詳しく書かれた本です。中には「一目均衡表は分足トレードでも有効か?」とか、一目均衡表を「座標軸で考える」などという、私なりの分析も書いてありますので初心者の方から実際に一目均衡表を活用されている方まで、読みごたえのある本になっています。

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