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信用取引講座~2013年1月の制度変更~

2012年12月04日

第5回 信用取引の制度変更から可能となる戦略について④(デイトレードの売り)

株式会社インベストラストの福永博之です。信用取引の制度変更で可能となる戦略の中で、今回は「デイトレードの売り」について考えてみたいと思います。

これまで信用取引の保証金が効率的に使えるようになることで信用取引の「買い」がどのように変わるのかについて考えきましたが、「売り」はどのようなことが考えられるでしょうか。

これまでお話ししたように、上昇局面では「制度変更に伴う買い」が与えると考えられる影響は、低位大型株から順次商いが膨らみ、値がさ株にむかうというような循環の動きを想定してきましたが、「売り」も同様なことが考えられるでしょうか。
私のこれまでの経験則や相場サイクルの考え方からお話ししますと、「制度変更に伴う売り」の影響は、上昇時の「買い」が与える影響のような循環物色がそのままは当てはまらないのではないかと思われます。なぜなら、上昇局面と下落局面では物色対象の捉え方や循環物色などのサイクルがまったく異なっていると考えられるからです。

上昇局面の場合、低位大型株が回転売買で買われて上昇したあと、投資家の購買余力が膨らんで値がさ株へとシフトしていくと考えられるわけですが、下落局面ではすでに低位大型株も値がさ株も上昇しているわけですから、買いの時に起こると考えられる循環物色といったようなものは起こらず、大型株から値がさ株までほとんど同時に下落していくといった状況が起こります。
このことは、リーマンショックや1989年のバブル崩壊後の値動きを経験された方であれば、よくお分かりなのではないでしょうか。
ではそうした下落局面になった時に今回の制度改正を踏まえ、「売り」ではどのような戦略をとればよいのでしょうか。

ここで考えられることは2点あると思います。一つは比較的価格の安い大型株の回転売買を積極的に行うことによって利益を上げるパターン。そしてもう一つは資金的な余裕がある人に限定されるかもしれませんが、値がさ株の回転売買を行って利益を狙うパターンです。

下落局面では前述のようにほとんどの銘柄が既に上昇しているところから「売り」のデイトレードを行うわけですから、大型株、値がさ株のどちらを選ぶのかといった場面に直面した時、自身の購買余力を確認しながら、比較的価格の安い大型株、または値がさ株のどちらかを選ぶということになるのではないでしょうか。

また、実際に投資家がそうした回転売買を行ったとき、上昇局面の時より下落局面の時の方が、より上下激しい値動きになるのではないかと思われます。
なぜなら、上昇から下落局面に移行する時、投資家の心理が強気から弱気に一気に傾くこと思われるため、買い注文に対して売り注文が膨らみやすく、下落が始まった当初は一方方向に株価が動きやすいと考えられるわけですが、その一方で一斉に売りに回った投資家が回転売買で収益を上げるためにはすぐに買い戻さなければならず、下げたらすぐに戻るといった上下に振動しているような小刻みな動きが繰り返されながら下落するということが予想されるわけです。
そのため買いでエントリーしたいと考えている人は、下げ止まりのポイントや返済のタイミングを計るのが難しくなるのではないかと思われます。
したがって、信用取引の制度が変わり、売りも回転売買ができるようになることで買い戻しがより活発になると同時に上下の動きが比較的はげしくなるのではないかと考えられるわけです。

ただそうした値動きがデイトレードではチャンスになると思われますので、次回はどのような銘柄を選べばよいのかについて考えていきます。

コラム執筆:福永 博之

株式会社インベストラスト代表取締役。IFTA国際検定テクニカルアナリスト。ビジネス・ブレークスルー大学 オープンカレッジ 株式・資産形成講座 講師。勧角証券(現みずほインベスターズ証券)、DLJdirectSFG証券(現楽天証券)、同証券経済研究所チーフストラテジストを経て、現職。現在、投資教育サイト《アイトラスト》の総監修を務める。ラジオNIKKEI、テレビ東京、TOKYO MXテレビ、CS日テレなどの株式関連番組にレギュラー出演。マネー雑誌の連載のほか、執筆多数。最新刊『めちゃくちゃ売れてるマネー誌ZAiが作った「株」チャートらくらく航海術』(ダイヤモンド社刊)では、チャート分析の基本中の基本、ローソク足に徹底的にこだわって騰がる株を見つける方法をわかりやすく解説し、好評を博している。

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