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SPARX Way

2011年09月30日

株の再投資リスク vs 債券の再投資リスク

私どもは、参入障壁に守られた強固なビジネスモデルを持ち、高い株主資本利益率(ROE)を長期に亘って維持できると判断する企業の株式を出来る限り長く保有し続けることで市場平均を上回るリターンをあげることを狙いとしています。

上記とは対極的に、ビジネス自体にさほど競争力がなく、かつ長期的な事業環境も厳しいものの、株価が理論上の解散価値(※)を大幅に割れているような企業に投資することで成功しようとする市場参加者も存在します。この場合の投資の狙いは、業績不振のため極端に売り込まれていたとしても、どこかのタイミングで純資産価値水準まで株価が回復することがあるということです。そしてその投資の時期は、長期的な展望は厳しいながらも、リストラなどで単年度収益(赤字企業が黒転)が回復したときや、企業買収の対象として思惑で株が買われるときなどです。このような銘柄選択のアプローチを、タバコの吸殻でも拾ってみれば、最後に少しだけ吸ってみることができるという意味で、cigar butt(タバコの吸いさし)アプローチと呼ぶ人もいます。

このような企業群のROEは、非常に低いか、一見高くても持続性がありません。さてこうしたアプローチについて、私どもはその有効性を認めながらも、自分たちの運用スタイルには取り入れていません。なぜなら、こういった企業の株価は、純資産価値近辺までの株価回復以上の持続的な上昇は期待できないためです。市場平均を上回る上昇が期待できない以上、売却を行い次なる組入れ銘柄を探さなくてはなりません。つまり、このような戦略で長期的な成功を収めるには、継続的に銘柄の入れ替えを行い続けることが前提となります。私どもはこれを債券投資で期限前償還を受けた際の再投資リスク(これまでの利回りが保証されないリスク)に似たものだと考えています。

これに対し、高い参入障壁に守られ、高ROEを長期に亘って実現できる企業の株式に投資した場合、競争優位性が維持されている限り、持続的な株価上昇を享受することが期待されるのです。

※:貸借対照表の資産総額からすべての負債を控除した後の残余の資産をいう。これは会社の解散時に株主のものになるという考え方から「株主資本」ともよばれ、この額を発行済株式総数で割った値が一株あたりの解散価値となる

「SPARX Way」のコラムは今回の掲載が最終回となります。2008年3月から102回に亘り株式投資に関する理論の紹介、日本の政治・社会・経済・企業を取巻く環境の変化を話題として執筆して参りました。皆様の株式投資、日本、についてのご関心に、少しでもお役に立てたとすれば幸いです。今後も、スパークスとして、様々な情報を多くの機会を通じて投資家の皆様にお伝えしたいと考えております。ご愛読ありがとうございました。

「スパークス・アセット・マネジメントは、日本株式投資に特化した独立系の資産運用会社として1989年7月に創業し、「世界で最も信頼、尊敬されるインベストメント・ カンパニーになる」というビジョンのもと、一貫した投資哲学と運用プロセスを背景にグローバルに展開している運用会社です。 http://www.sparx.co.jp/

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※「SPARX Way」は「スパークス・新・国際優良日本株ファンド(愛称 厳選投資)」のファンド・マネージャーとマーケティング担当者が交互に執筆させていただいております。
今回はファンド・マネージャーが執筆させていただいております。

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