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特集1

2017年08月10日

第123回 三菱地所物流リート投資法人について【J-REIT投資の考え方】

J-REIT価格は落ち着きを取り戻しています。東証REIT指数は、7月に乱高下しましたが前回連載日(27日)からは1,700ポイントを挟んだ展開で推移しています。ただし、いわゆる「夏枯れ」の時期にあたっていますので、当面は少し軟調な展開になりそうです。

さて今回は、9月14日に上場予定の三菱地所物流リート投資法人(証券コード3481、以下MJL)について記載していきます。MJLのスポンサーは投資法人の名称が示す通り、三菱地所であり同社が100%出資する三菱地所投資顧問(以下、MJIA)が運用会社となります。三菱地所が運用する上場REITとしてMJLはジャパンリアルエステイト投資法人(証券コード8952)につぐ2銘柄目、非上場の日本オープンエンド不動産投資法人(JOE)を含めると3銘柄目となります。
決算期はすでに13銘柄が採用している2月、8月となり、MJLを含めるとこの決算期となる銘柄は最多(他の1月、7月決算が13銘柄)となります。投資法人の設立自体は2016年7月14日となっているため、上場日は第3期(2017年9月1日から2018年2月28日)になります。
運用方針上は、データセンターなどの「その他用途」を20%以下の割合で組入れることを可能としていますが、上場時は物流施設の保有割合が100%と物流施設特化型銘柄となる予定です。上場前取得済の1物件も含め上場時に8物件、取得額709億円弱のポートフォリオで旗艦物件は「ロジポート相模原(取得額213億円強)」と「ロジポート橋本(182億円)の2物件をそれぞれ49%、45%の共有持分を取得予定です。
 
上場時の資産規模としては、既存の物流特化5銘柄の平均値1,289億円を下回りますが、直近に上場した三井不動産ロジスティクスパーク投資法人(証券コード3471、以下MFL)と同規模程度(図表1参照)であり、ポートフォリオの分散は上場時点でも一定程度図られています。また上場時ポートフォリオのうち4物件はテナントが1社ですが、物件としては全て複数テナントに対応するマルチテナント型施設となっています。
図表1の物流特化型銘柄のうち、日本ロジスティクスファンド投資法人(証券コード8967)以外が2012年以降上場となっていることが示す通り、物流施設の取得競合は激しさを増しています。その中でMJLは、スポンサー開発物件だけではなく非上場のJOEの運用も行っているMJIAの物件選別力を生かして規模の拡大を図っていく方針としています。上場時8物件のうち、5物件はスポンサー開発以外のMJIAが運用するファンドから取得となりました。

20170810_J-REIT_graph01.png

一方で物流施設の物件価格が高騰している影響を受け、上場時ポートフォリオの鑑定NOI利回り(※1)は4.9%、鑑定価格算出に使用される直接還元法のキャップレート(CR)の中央値は4.8%となっています。2017年6月までJ-REITが取得した物流施設32物件のCRは中央値で4.8%となっていますので、MJLが物件を高値買いしたということにはなりません。しかし、他銘柄のポートフォリオNOI利回りと比較すると鑑定NOI利回りとの比較とはなりますが、MJLのポートフォリオ利回りは図表2の通り低い値になっています。

20170810_J-REIT_graph02.png

MJLの公募価格は、8月30日に仮条件が決定となりブックビルディングを経て9月6日に決定する予定です。直近に上場した銘柄は、上場日から軟調な価格推移となっていますが、MJLは公募価格が第4期(2018年8月)の予想分配金を年額換算したベースで4%を超えていれば、上場後も堅調に価格が推移するものと考えられます。その要因としてMFL以来となるAA格相当(AA-)の格付けをもって上場することや、MFLと同様に国内大手不動産会社がスポンサーとなっている銘柄であることが挙げられます。


※1:鑑定NOI利回りとは、不動産鑑定価格算出のために不動産鑑定士が想定する当該物件の収支のうち、実際には発生しない資金の運用益と物件の大規模修繕費を年額換算した資本支出分を控除した物件収支に対する利回りのこと。NOI利回りが実績値である点とは異なる。


コラム執筆:アイビー総研株式会社 関 大介

<本内容は、筆者の見解でありアイビー総研株式会社及びJAPAN-REIT.COMを代表したものではありません。個別銘柄に関する記載がある場合は、その銘柄の情報提供を目的としており、お取引の推奨及び勧誘を行うものではありません。また執筆時点の情報を基に記載しております。>

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