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特集2

2017年04月18日

第255回 フランス大統領選挙~フレグジットの可能性は?!【大橋ひろこのなるほど!わかる!初めてのFX】

フランスの大統領選は第1回投票が23日(日)に行われます。過半数を獲得する候補者がいなかった場合は、5月7日(日)に上位2名による決選投票が実施されることとなります。

支持率が割れており、候補者4人が入り乱れる大混戦となっている模様。投票すると答えた人々の中でも、3分の1は誰に投票するかまだ決めていないと指摘されており、棄権が多数に上るのではないか、との世論調査もあるようです。

現状では、国民戦線のルペン候補と中道無所属マクロン候補の両名が1位2位を争っているようですが、どちらの支持率も20%台。つまり、1回目の投票で過半数を獲得する候補者が出る可能性は低く、今回第1回投票は上位2名にどの候補が入るのかが注目ポイントとなってきます。

マーケットのリスクはルペン候補の躍進。大統領に就任したら6か月以内にEU残留か離脱かを問う国民投票を行うことを公約にしています。離脱にあたって新たな自国通貨への移行の際には、ユーロ導入前に存在した欧州通貨単位(ECU)と同様のバスケット通貨を復活させる可能性を示唆、具体的にEU離脱の道筋を表明しています。ルペン氏が大統領選挙で勝利した場合、金融市場の混乱が予想されるだけではなく、EU崩壊の危機に瀕する可能性があるのです。

世論調査によると、既に態度を決めた支持者が最も多いのは一貫してルペン氏で、支持者の8割以上が必ずルペン氏に投票すると回答、こうした支持層には農業従事者らがいると指摘されています。フランスはEU最大の農業国で、EUの農業生産額の3割(668億ユーロ、約8.2兆円)を占めています。日本の約1.5倍の国土面積の半分を農業用地が占めています。これはEU農業用地面積全体の16%を占めておりEU最大でもあります。農業生産額もEU最大で、EU全体の18%を占める一大農産物生産国ですが、実は多額の補助金が農業生産者を支えているのが実態で、農業基盤の弱体化が進んでいるのです。EU共通農業政策により、東欧・南欧から安価な農産物や加工品が流入、ハンガリー産フォアグラの価格はフランス産の5分の1程度。ワインやチーズ等の加工品もEUからの輸入に押されていて、フランス農家の収入は以前に比べ3~5割減少しているのです。農業従事者らのEU離脱への思いが高まっており、ルペン候補の支持率を高めています。

また、事前の支持率ではマクロン候補と互角となっていますが、世論調査が正確な世相を反映しているかどうかは疑問。選挙は完全に無記名ですが、電話やネットなどを通じた世論調査では、素性が明かされるリスクがあり、移民排斥などを掲げる極右政党支持を声高に宣言できないため、支持率は実際よりも低めに出る可能性が指摘されています。

昨秋の米国の大統領選挙でも、移民排斥を訴えるトランプ氏の支持を事前調査では表明しなかった有権者が多かったことが記憶に新しいですね。内心ではルペン氏を支持していながら、それを表明したくないという市民の行動が思わぬ結果をもたらすリスクは決して低くはありません。

また、ここに来て北大西洋条約機構(NATO)脱退やEU条約の再交渉などを掲げる急進左派、メランション左翼党党首の躍進も伝えられており、選挙結果はますます混迷を深めるとみられます。

第1回投票で僅差でもマクロン氏がトップに立ち、5月決選投票での勝利をほぼ確実にするのが穏当なシナリオですが、ルペン氏が第1回投票でトップに立った場合は、リスク警戒感が高まり、金融市場全般にリスク回避の動きが出る可能性は否定できません。すでに、トランプ大統領のドル高けん制発言や有事警戒で円高ドル安を強いられているドル/円市場にとっては、さらなる円高リスクにつながりかねないイベントです。23日は日曜日でもあることから、週明け、そのショックを吸収する最初の市場が東京です。極力リスクポジションは小さくしておきたい局面です。

コラム執筆:大橋ひろこ

フリーアナウンサー。マーケット関連、特にデリバティブ関連に造詣が深い。コモディティやFXなどの経済番組のレギュラーを務める傍ら、自身のトレード記録もメディアを通じて赤裸々に公開中。

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