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特集2

2017年05月17日

第213回 北京では駐車場の不足が深刻な問題に 【北京駐在員事務所から】

中国の他の大都市や、高度成長期の日本の都市部と同様、北京では自家用車の保有台数が増加し、朝夕の通勤時間帯に酷い渋滞が発生するほか、排気ガスが大気汚染の原因にもなっています。
市政府は、新たな自動車の登録の権利(ナンバープレートの交付)の付与件数を抽選により制限し、またナンバープレートの末尾の番号に基づき、平日に自家用車の2割について市中心部での走行を禁止するなど、自家用車の利用抑制を図っているのですが、焼け石に水というところです。
公共交通機関の整備状況が貧弱で、鉄道輸送に多くを頼れないため、通勤手段が自家用車、タクシーあるいはバスの選択になる人が多く、時間がかかっても独りの時間を楽しめる自家用車通勤が人気となっています。
もちろん、高度成長期からバブル期の日本のように、自家用車を所有することがステータスシンボル、成功の象徴となっているという事情も挙げられます。

自動車の通行が増えることで、渋滞、大気汚染と並んで問題となっているのが、駐車場の不足です。
市中心部のオフィス街、商業施設及びその周辺、さらには住宅街でも不足が深刻で、違法駐車や駐車を巡るトラブルも頻発しています。

北京市政府で交通政策を所管する交通委員会は、このほど駐車に関する新たな規制案を作成し公表しました。
改正の柱は、駐車場建設の促進と違法駐車に対する罰則の強化です。
供給増のため、立体駐車場の建設やITを利用した効率的な運用を進めるとし、補助金や貸付金など金融面での手当てを強化する方針です。
また、集合住宅や政府機関などで、駐車場の容量に余裕のあるところについては、時間貸の駐車場として開放し、料金を収受することを認めるほか、住宅街の生活道路について、夜間に駐車場として利用することを認める地域を増やすとしています。

一方、罰則の強化については、違法駐車を犯したにもかかわらず罰金の支払を拒む者についてブラックリスト化を進め、罰金徴収の徹底を図るとともに、運転免許について日本の点数制と同様の制度を導入し、更新の制限等のペナルティを科すとしています。
中国では、交通違反や禁止場所での喫煙等に対する処罰が軽く、抑止力として十分機能していない状況があるのですが、果たして罰則の強化が効果を挙げることができるのか、注目したいところです。

市中心部での駐車場難は本当に深刻な問題で、当事務所が入居しているオフィスビルの前の道も、片側1.5車線(合計3車線)分の道幅がありますが、1車線分は駐車場に使われています。
路肩への駐車のようになりますが、有料駐車場として運用されており、駐車すると係員が時刻を記録し、出発時には料金を収受しています。
自宅近辺も道幅は広いのですが、使えるところは駐車場にという感じで無秩序に車が並んでいます。車の間を自転車やバイク、時にリヤカーなどが縫うように走りますので、危険を感じることもしばしばです。
身の回りを見る限りでは、制度変更で状況が改善することは期待薄のように思えてなりません。

今の北京、さらには中国を象徴するような話題でした。
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コラム執筆:長野雅彦 マネックス証券株式会社 北京駐在員事務所長

マネックス証券入社後、引受審査、コンプライアンスなどを担当。2012年9月より北京駐在員事務所勤務。日本証券アナリスト協会検定会員 米国CFA協会認定証券アナリスト

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