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特集2

2017年10月10日

第280回 ドルの逆襲始まる?!【大橋ひろこのなるほど!わかる!初めてのFX】

2017年1月から続いた米ドルの下落が、9月底入れしたようです。年末に向けて米ドル逆襲となるでしょうか。

9月8日、ドル/円相場は107.28円で底入れし、9月の雇用統計が発表された10月6日には113.40円台にまで上昇しました。ほぼ1カ月で5円ものドル高円安です。ユーロ/ドル相場も同じく9月8日1.2092ドルの高値を付けてから反落してユーロ安ドル高となっています。

9月9日の北朝鮮の建国記念日に何も起こらなかったことが、トレンドの変わり目となりました。それまでの過度な地政学リスクへの警戒によるドル売りの巻き戻しが起こったのです。現実には北朝鮮問題は何ら解決していませんが、足元では北朝鮮リスクを警戒する値動きは株式市場にも見受けられません。マーケットのテーマは北朝鮮リスクから、別のテーマにシフトしたようです。

クローズアップされているのが、米国と欧州の金融政策。この夏、マーケットでは米国の2017年3度目の利上げはないとの観測が大勢となり、ドル売りが加速していました。ところが、9月のFOMCでFRBが年内の追加利上げの可能性を排除していないことが改めて確認されたことで、これまで織り込んでいなかった12月の利上げ観測が再浮上、ドルの買戻しが急激に進んでいます。

さらに、ユーロ。4月のフランスの大統領選挙に波乱がなかったことで、ユーロが買戻され上昇基調になっていたところへ、6月のECBフォーラムではドラギ総裁が金融政策正常化に言及。足元では10月26日のECB理事会においてテーパリング(量的金融緩和の縮小)が発表されると見込まれており、これを織り込む形でユーロの買戻しが進んできました。しかし、4月からのユーロ上昇も上値が重くなってきました。すでにテーパリングを材料にしたユーロ高は織り込まれつつあり、新味に欠くものとなっています。また、今回のECB理事会で仮にテーパリング開始が発表されたとしても、あくまで金融緩和政策の正常化であり、金融引き締めではないとしたメッセージが発せられるとの観測も。テーパリング発表と同時に、早期利上げ観測が強まれば、急速なユーロ高を招くリスクが大きく、ユーロ安によって支えられてきたEU圏の景気を冷やしかねません。よって、今月26日に迫るECB理事会でのテーパリング決定への期待によるユーロ高相場はすでに終焉したものと考えられます。

また、9月24日に投開票されたドイツ連邦議会選挙では、メルケル首相率いる与党・キリスト教民主/社会同盟(CDU/CSU)が勝利しましたが、連立協議が難航していることもユーロの上値を抑えておりドル高要因。10月15日にはオーストリア総選挙がありますが、EU離脱を主張する極右の自由党が議席を増やす可能性が指摘されており、波乱があればユーロにはマイナスとなるとみられています。

ドル/円市場では、下半期入りで日本の機関投資家らが、為替ヘッジを付けない形での外債投資を本格化させているとの指摘もあり、ドル/円の下値を支えています。

機関投資家の外債投資とヘッジ外しについてはコチラを。
第278回機関投資家のヘッジ外しって何?!ドル/円の下支え要因
http://lounge.monex.co.jp/pro/special2/2017/09/26.html

日銀の金融政策が日本の機関投資家らの外債投資を積極化させています。4月のフランスの選挙、9月のドイツ選挙、トランプ政権への不信や北朝鮮へのリスク警戒など政治イベントや地政学リスクがマーケットの不安材料となって、金融政策をテーマに動きにくい相場環境が続いてきましたが、年末に向けては再び「日米欧の金融政策の違い」がクローズアップされ、ドル高が進むのではないでしょうか。

コラム執筆:大橋ひろこ

フリーアナウンサー。マーケット関連、特にデリバティブ関連に造詣が深い。コモディティやFXなどの経済番組のレギュラーを務める傍ら、自身のトレード記録もメディアを通じて赤裸々に公開中。

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