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特集2

2017年10月11日

第234回 独身者の日の大セールに向けて着々と準備が進行中 【北京駐在員事務所から】

中国では、2009年にネット通販最大手のアリババグループが始めた販促活動「11月11日 独身者の日」が完全に定着しました。
毎年、取扱数量及び売上高の記録を更新しており、すっかり秋の風物詩になった感があります。
年々追随する業者が増え、今では業界を挙げたお祭りの様相を呈しています。昨年は日本のネット通販サイトでも同様の販促が行われているのを目にしました。節分の「恵方巻」は西日本から全国に広まりましたが、中国発の「独身者の日」が果たして日本でも定着することになるのか、ちょっと注目です。

昨年、独身者の日の販促期間中に取り扱われた宅配便の個数は6億5,700万個でしたが、今年は10億個に達すると予想されています。
昨年度、日本の宅配便取扱個数が40億個強でしたので、日本の3ヶ月分が6日間で発生することになります。
広い中国とは言え、短期間に集中することから、物流企業には大きな負担となります。
業界関係者は、「即日配達」を含む消費者のサービスへのニーズを満たすために、宅配業者には交通渋滞をいかに回避するか等、大変なプレッシャーがかかると指摘しており、特に、都市部以外の地域で円滑な配達を実現するために、通販業者、荷受拠点と配送拠点との連携が重要となると述べています。

アリババグループ傘下で、全国の宅配業者の組織化を進めているIT企業「菜鳥」は、宅配業者に同社の配送システムを導入させるため、15億元(約260億円)の補助金を支出する予定です。
また、同社では宅配ボックスを全国の20万ヶ所に設置しており、消費者が購入した商品を自らピックアップできるようにしています。
これらの施策により、荷物の集中による配達の負担を軽減することを目指しています。

中国では環境保護への意識も徐々に高まっており、菜鳥も本年5月に、配達用の新エネルギー車両100万台を導入すると発表しました。
また、配車の効率化により、車両の走行距離を短縮して運転手の負担軽減を目指すとしています。さらに、領収証の電子化による紙の使用量の削減や、梱包用品に再生紙を積極的に利用するなど、資源の浪費の防止にも努めています。
別の大手宅配業者も、取扱荷物の9割で配送伝票の電子化を達成し、業務の効率化により今年上半期の取扱個数を前年同期比45%増としたそうです。
「IT化」と「エコ化」が中国のネット通販業界、宅配便業界で一気に進みそうです。

小売業界の一大イベントといえば、長く米国のブラックフライデー(11月の感謝祭明け後、クリスマスセール初日の金曜日)が知名度を誇っていましたが、今や独身者の日に完全に取って代わられてしまいました。
今や、日本を含め、世界各国のネット通販業者が便乗商戦を展開しているそうです。ここでも中国のパワーを感じさせられてしまいます。
日本でもネット通販は大人気で、このところ宅配業者への負担の集中が問題視されています。業務のIT化は相当に進んでいるものと思われ、あとは待遇改善による労働力不足の解消か、時間はかかるのでしょうがドローンあるいは自動運転車の活用による無人配達などしか、問題解決の決め手が無いようにも思えます。
中国でも、また日本でも、事故やトラブルの防止が図られ、円滑な配達が実現するよう、一利用者として望みたいと思います。

ネット通販の世界でも、大国中国の勢いと存在感が際立つ話題でした。

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コラム執筆:長野雅彦 マネックス証券株式会社 北京駐在員事務所長

マネックス証券入社後、引受審査、コンプライアンスなどを担当。2012年9月より北京駐在員事務所勤務。日本証券アナリスト協会検定会員 米国CFA協会認定証券アナリスト

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