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特集2

2017年11月10日

第4回: 投資と投機と資産運用【野水瑛介が目指す「資産運用のあたりまえ」】

「投機」というと何となくバクチのような感じがする人も多いと思いますが、では「投資」、「投機」、「資産運用」がどのように違うか、それを説明できる人はあまり多くないようです。投資といったとき、実は「短期で大儲け」、「一か八かの大勝負」、中には「ギャンブル」をイメージするような人もいます。しかし、これは投資というよりも投機でしょう。その投機と真逆のコンセプトが資産運用です。資産運用は、「長期」、「地味で地道」、「リスクをしっかりコントロール」などのイメージがピッタリです。このように投資という用語には、投機と資産運用の2つの違ったニュアンスがあります。

世界経済の動向や日本株などについて解説するお客様向けセミナーで1番盛り上がるのは、セミナー本編ではなく終了後の質疑応答です。そこで聞かれることはだいたい決まっていて、「何に投資すれば儲かるか?」、「どのタイミングで投資すれば儲かるか?」、「いつ売るのがお得か?」の3つです。こうした質問から感じるのは、セミナー参加者がいかに短期で儲けたいと考えているかです。

<投信の保有期間は平均3年未満>

投資に興味があるのだから当たり前ではないかと感じるかもしれませんが、正確には投資ではなく、投機に興味があるというほうが当たっています。日本では投資信託の平均保有期間は3年未満と極めて短いということが知られています。個人向けFX取引会社の売買高世界ランキングの上位には日本の会社が君臨していますし、最近良く耳にするビットコインの買い手の半分以上は日本人だそうです。こういったことから、投資家の短期志向が伺えます。少しでも早く結果が欲しいというのが本音なのでしょう。

投機の色が濃い投資は、ある程度お金に余裕がある人が趣味や娯楽でやる分にはいいと思います。実際には、短期志向の投機家がいるからこそ、市場にて売買が円滑に行えるし、市場が活性化します。その意味では、必要不可欠な存在でもあります。「趣味としての投機」は別に悪いことではなく、ハラハラドキドキしながら知的好奇心が刺激されます。しかし、投資のこういった面が強調されてしまうと、投資そのものが普通の人には敷居の高いかつ縁遠い存在となってしまうのだと思います。

<資産運用の第一は目的の設定>

投機の真逆にある資産運用では、まず長期的な目標設定をすることが重要です。そもそも、儲けること自体が目的ではないはずです。つまり運用する目的です。儲けて自分はいったい何をしたいのかをじっくり考えることが資産運用の第一歩です。

この目標設定が完了したらそれに向かって、自らが耐えられるリスク水準にコントロールされた低コストの世界分散ポートフォリオ(国内外の株式や債券などを組み合わせたもの)で、継続的に毎月積立投資を行っていくことが重要です。リスクがコントロールされたポートフォリオで運用するので、資産の値動きに日々ハラハラすることはなく、どちらかと言うと極めて地味です。自分が一体何のために資産運用しているのかという長期的な目標を明確にすることで、短期的な儲けや損失に一喜一憂することなく、途中でやめてしまうことを防ぐことができるのです。資産運用では、とにかく地味に地道に継続することが遠回りのようで結果的に近道なのです。急がば回れと言ってもいいし、ウサギとカメの話に例えてもいいかもしれません。

残念ながら日本にはこうした「資産運用」ニーズはあまりありませんでした。ないというより、顕在化していなかっただけかもしれません。実際、政府がここ数十年、いくら「貯蓄から投資へ」を声高に叫んでも、現金預金に眠っている巨額のお金が動くことはありませんでした。しかし、ここに来て風向きは大きく変わってきました。20年以上続くデフレ経済に変化の兆しがあり、日本の株式市場もバブル崩壊後では最高値で推移しています。年金や退職金など国や企業にはもう頼れないかもしれないという機運も少しずつ高まってきました。自分の将来のことは自分で考えて備えなければならないというメンタリティは、まさにこれから顕在化していく今ちょうどその過渡期なのかもしれません。これから必要とされていく資産運用サービスは、長期的目標を探すサポートをしてくれること、すなわち「人生について一緒に考えてくれる」ことがキーになっていくとも言えるでしょう。 ポートフォリオを提供するだけでよしとする時代は終わろうとしていると思います。

<筆者プロフィール>

野水瑛介(のみず・えいすけ)

1986年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、JPモルガン・アセット・マネジメントに入社。銀行や証券会社を担当する投資信託営業に従事。その後ロンドンオフィスに駐在しジャパンデスクとして東京オフィスとのリエゾン業務を担当。帰国後、当時最年少でチームマネージャーに就任。2016年2月にマネックス・セゾン・バンガード投資顧問に参画。オンライン投資一任運用サービス「MSV LIFE(マネックス証券での愛称:マネラップ)」https://www.msvlife.jp の開発責任者に就任し、2016年9月17日にサービスをリリース。「ゴールベースアプローチ」に基づき、「資産運用のあたりまえをあたりまえに」するべく、執筆や講演活動を展開中。

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