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特集2

2017年11月14日

第285回 市場のファッション【テーマ】は何か?!【大橋ひろこのなるほど!わかる!初めてのFX】

日経平均とドル/円相場の相関性が低下しています。なぜでしょうか。

この秋、日経平均は1996年6月につけたバブル崩壊後の高値を更新。1992年1月以来25年10ヵ月ぶりの高値をつけました。歴史的高値更新の大相場を演じてから足元では調整局面入りとなっています。しかしながら、ドル/円相場は113~114円台のレンジが続き、2015年のアベノミクス相場で演出した1ドル125円台の水準には遠く及ばぬところにとどまっています。

「日経平均とドル/円相場の相関」が低下している背景として、足元のドル/円相場は「米長期金利」との相関の方が高まっており、米国の長期債(10年債)の利回りが思いの外上がらないことが影響しているためと考えられます。米長期債は2016年11月のトランプ米大統領誕生を機に急騰、それまでの1.7%前後での推移から12月には2.6%まで1%近くも上昇しました。たった1ヵ月程度の期間に、です。この時、102~103円台をうろうろしていたドル/円相場は、米長期金利上昇に連れて118円台まで急騰したことは記憶に新しいですね。この時からドル/円相場は「米長期金利との相関性」が高まっており、日本株上昇には反応が鈍くなってしまいました。米長期金利はその後、トランプ大統領誕生後につけた2.6%が抵抗となり2017年中は2.03%~2.6%でのレンジに入っています。ドル/円相場は、この動きに連れて動いているため株価上昇にも反応が鈍いと言えましょう。

アベノミクス・日銀の異次元金融緩和を囃して日経平均が20,952円まで上昇した2015年、ドル/円相場はこれに相関して大きく上昇し、125円台までドル高円安となりました。日本株の大きな上昇トレンドの裏には常に「外国人投資家」の存在がありますが、(今秋の日経平均の上昇も海外勢の買いが動力でした)2015年の日本株上昇時、海外勢はアベノミクスを掛け声に、日銀の異次元金融緩和は円安を招くとして、日本株を買うためにドルを円に換えて買い参入する傍ら、為替市場では、日本株を買うために円買いしたボリュームの2倍・3倍とドル買い円売りを行っていました。日本株上昇で収益が得られても、同時にそのために円に換えた為替部分で円安が大きく進行すれば損失が出てしまいます。為替リスクを避けるために日本株買いと同時に為替ヘッジを行い、それ以上にドルロングを構築するやり方で、あの大相場に参戦していました。しかし、現在の海外勢の動向は、日本株買いする際に円買いをしたボリュームと同量の為替ヘッジは行うものの、それ以上にドル/円相場でのドル買い円売りはしていないようです。おそらく、米長期金利の上昇が見られないことが背景でしょう。

しかし、「アベノミクス、日銀の金融政策」をテーマにした2014年から2015年にドル/円が125円まで大幅上昇した期間に、米長期金利は2.8%から1.6%まで、1%近く下落していました。この時は米長期金利よりも、市場の注目がアベノミクスと日銀の政策にあったのです。

現在は、すっかり日銀の金融政策会合が注目されなくなりました。10月22日の衆院選与党大勝で、第3次アベノミクス再始動を囃して、ドル/円相場が107円台から113円台まで上昇したとの指摘もありますが、この期間は米長期金利も上昇しており、衆院選というよりは米長期金利との相関によりドル/円相場も押し上げられたものと思います。

つまり、今市場のファッション(テーマ)は、「アベノミクス、日銀の異次元金融緩和」ではなく「トランプ政権下での米長期金利」にあるということです。日銀の金融政策発表が市場を大きく動かした時代から、トランプ政権による減税改革法案やFRB議長の後任人事のほうが米長期金利を動かす時代へと変わってしまったのです。そして米国の金利は、米国内の物価動向、インフレ指標などが冴えないことに上値を抑えられてしまっています。現在では毎月発表される雇用統計も、非農業者部門雇用者数より賃金上昇率が金利を動かす材料として注目度が高まっているように、米国のインフレ指標が重要となってきているのです。

裏を返せば日経平均が大きく下落しても、ドル/円相場が円高になるリスクもそれほど大きくない、ということです。(日経平均下落時にNYダウも大きく下落し、米長期金利が急低下すれば話は変わりますが)トレードで成果を上げるには、こうした市場のファッション、テーマの変化に気がつけるかどうかということも重要なポイントです。

コラム執筆:大橋ひろこ

フリーアナウンサー。マーケット関連、特にデリバティブ関連に造詣が深い。コモディティやFXなどの経済番組のレギュラーを務める傍ら、自身のトレード記録もメディアを通じて赤裸々に公開中。

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