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特集2

2017年11月21日

第286回 株価急変の背景とドル円相場【大橋ひろこのなるほど!わかる!初めてのFX】

1992年以来という歴史的高値を更新した後、日本株市場は大きな調整を強いられました。時同じくして米株や欧州株も下落し株式市場全般に調整の波が押し寄せていましたが、きっかけとなったのは11月9日の東京マーケット。前引けの日経平均は400円を超える上昇でしたが、後場から空気が一変。急落により1日の値幅は800円を超えるすさまじい値動きとなりました。この時の売りの主体は前場で日経平均の23,000円超えを演出して価格水準を釣り上げた、ところが後場から一斉に売りに回ったとのマーケットの噂。つまり、高値で売り抜けるために23,000円から上に並んでいたストップロス注文をひっかけて、踏み上げ相場を演出したものと推測されます。

振り返ってみれば11月9日前場に日経平均が400円高となるような具体的な買い材料はありませんでした。材料もないのに、変動幅が大きくなる時には注意が必要です。それを仕掛けているファンドがあるかもしれない、ということに考えが及ばなければ、その流れについて行き天井圏で高値掴みとなりかねません。今回は9月中旬からの上昇相場でしたが、9月中のトレンドの初動であれば、割安に放置されていたということでの水準訂正が起きているわけですから別段買い材料がなくても上昇が続くということに不思議はありません。しかし、そのトレンドが2ヵ月近くも続き、しかも歴史的高値を更新しているという場合には、注意が必要ですね。トレンドの最終局面はボラティリティ(価格変動幅)が大きくなるのです。

日本株式市場は象徴的な乱高下を演じてからのトップアウトでしたが、時同じくして米株、欧州株も下落しているということは、世界的に株式市場の手仕舞いが増えたということです。では何故この時期に手仕舞い売りが出てきたのでしょうか。

45日ルールはご存じでしょうか。
ヘッジファンドの顧客は、運用成績が振るわないファンドから資金を引き揚げたい場合、決算日の45日前までに解約を申し出なければならないというルールがあります。解約を申し入れられたヘッジファンドは、顧客に資産を返さなくてはなりませんので、運用ポジションを決済して現金に換える必要があります。つまり、解約申し入れが多ければたくさんの現金が必要となりますので、よりリスク資産の手仕舞いが増えるということです。

そして、その決算時期。ヘッジファンド決算時期は3月、6月、9月、12月の四半期毎に設定されているケースが多いとされています。直近では12月末の決算に伴う解約申し入れ次期が意識されますが、45日前ということで逆算すると11月半ばまでに解約の申し入れをしなくてはなりません。そして、ヘッジファンドらはそれに伴ってリスク資産を売却して現金を作る必要がある、、、と考えれば、この歴史的な大相場が2ヵ月も続いた日本株市場に11月半ばに手仕舞いの利益確定売りが出る可能性があったことは、想像に難くありません。相場で生き残るには、こうしたカレンダー的な相場の需給にも留意しておく必要があるのです。

さてドル/円相場。もともと日本株上昇との相関が薄れていましたので、日本株の大幅調整にもそれほど大きな円高にはなっていません。今年は107円から118円の11円幅のレンジ相場に終始しているだけです。ですから日本株の下落で再び100円方向まで円高進行するというような悲観論もあまり出てきませんね。ただし、米国の税制改革法案の行方や、米国株式が不安定となってきたことから、債券買いが旺盛となっているのでしょうか。米長期債利回りも低下しており、これがドル/円相場の下落に繋がっています。12月FOMCに向けては利上げを織り込む形での金利上昇の思惑もありましたが、思わぬ展開ですね。12月のFOMCに向けて米国債券利回り動向も重要ファクターですが、日本株下落がさらに加速する場合、これまで日本株上昇には相関してこなかったドル/円相場が、日本株の下落には連れて下がる、、、、つまり円高となる可能性も否定せずに慎重に見極めていきたい局面です。IMM通貨先物ポジションのヘッジファンドらのポジション動向をチェックすると過去最高レベルのドル/円の買い越しとなっており、これが手仕舞われるだけでも円高圧力となります。この先クリスマス休暇に向けてファンドの手仕舞いが出るリスク、という意味で、ここから年末に向けてのカレンダー的なドル/円相場の需給にも留意しておきましょう。

コラム執筆:大橋ひろこ

フリーアナウンサー。マーケット関連、特にデリバティブ関連に造詣が深い。コモディティやFXなどの経済番組のレギュラーを務める傍ら、自身のトレード記録もメディアを通じて赤裸々に公開中。

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