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特集2

2017年12月12日

第289回 12月ドル高アノマリーとは【大橋ひろこのなるほど!わかる!初めてのFX】

地政学リスクがささやかれる中、米国株には大きな調整もなく堅調です。今週は12-13日に米国のFOMC(連邦公開市場委員会)が開催されます。2015年、2016年と過去2回12月のFOMCで利上げが決定され、それまで利上げを織り込む形で上昇してきた米ドルが材料出尽くしから下落に転じるというような値動きが観測されていますので、2017年12月利上げ発表のタイミングで、ドル/円相場がどのように反応するのか注目されます。
2017年は3月と6月にも利上げを発表しており、12月に利上げが決まれば3回目。現在のところ金利先物市場での利上げ織り込みはほぼ100%となっており、利上げは市場のコンセンサスとなっているものの、あまり大きなドル高となっていないのは、FOMCによる利上げに新味がなくなって、驚きがないためでしょう。12月とあって、今回のFOMCでは2018年の利上げやそのペースと方針、税制改革を前提とした18年度の景気動向などに具体的な示唆が得られるかどうかが注目となってきますが、8日金曜日に発表された11月の米雇用統計では平均時給が予想を下回り、インフレ圧力がそれほど強くないことが示され、米国債利回りは下落しました。米国株は雇用統計を受けて上昇。雇用環境は拡大傾向で堅調である一方、インフレ圧力が強くない、つまり金利上昇圧力が弱いということは、株式市場にとって大歓迎。景気が良く低金利時代が長期化すればするほど株高継続となるでしょう。これが2017年の相場を象徴する「ゴルディロックス(適温相場)」。2018年もこの流れが続くのか、FOMCメンバーの見通しに注目です。

雇用統計では平均時給が弱く、金利も低下したにもかかわらず8日金曜日はドル/円相場が上昇、全般ドル高基調が強まりました。なぜでしょうか。今年のドル/円相場は米長期債金利の上昇がなかったことに上値を抑えられてレンジ相場を強いられたというのが専らの見立てですが、、、。

12月はドル高となりやすい、というアノマリーがあります。足元で金利が上がらない中でドルが上昇しているのは、12月特有の値動きかもしれません。

一般的に米国企業の本決算は12月。この時期は米国の多国籍企業が海外で上げた外貨収益を米国内に送金するためにドルに換える動きが出やすいとされています。ドル需要が強まる、ということですね。日本経済新聞記事によると、ドルの総合的な実力を示す日経通貨インデックスが2016年までの過去10年間で11月末から12月末にかけてドル高となったのは7回。特に直近4年間はいずれもドル高の年となりました。昨年はトランプ大統領誕生で金利が跳ね上がった影響もあり、必ずしも年末のドル需要が背景ということではありませんが、アノマリーとしては確度の高い材料です。

ただし、例年と異なるのが、米国の税制改革法案。海外で稼ぐ米国企業に本国への資金還流を促す「レパトリ減税」が注目されていますが、現状では実施時期が決まっていません。年内の実施は考えにくく、来年以降となるなら、本来は12月に行う国内送金に伴うドル買いを、来年に回そうという動きも出てくる可能性もあるため、あまりドル高は加速しないとの指摘もあるようです。

もし、税制改革法案に絡んで年内の国内送金が多くないとすれば、足元のドル高は今週のFOMCに向けてのイベントラリーである可能性も。その場合は利上げ発表が材料出尽くしとなってドル買いのラリーは終了してしまう可能性があるため、ドル/円相場はレンジ高値である114円台を明確に超える強さがない限りは高値では売り圧力が強まるものと思われます。今週のドルの高値を追いかけるのはリスクが大きいでしょう。

コラム執筆:大橋ひろこ

フリーアナウンサー。マーケット関連、特にデリバティブ関連に造詣が深い。コモディティやFXなどの経済番組のレギュラーを務める傍ら、自身のトレード記録もメディアを通じて赤裸々に公開中。

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