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特集2

2017年12月18日

第116回 「2018年の重大イベント」を読み解く 【市場のテーマを再訪する。アナリストが読み解くテーマの本質】

みなさん、こんにちは。『今どき株で儲けるヤツは、「業種別投資法」を使っている』著者の長谷部翔太郎です。振り返ると、2017年は大きな波乱のない順調な上昇相場であったと云えるかもしれません。年前半こそ朝鮮半島有事懸念台頭や天候不順もあって比較的長い調整期間となりましたが、秋より一気にヒートアップし、尻上がりの相場となりました。10月には日経平均16連騰を含む19勝(上昇日)2敗(下落日)という記録的な相場となり、11月も実に26年ぶりの高値更新となりました。その後も高値圏は維持できており、相場の腰は粘り強く推移しています。昨年のこの時期、 コラムでは「2017年は激変への揺籃期になるのかもしれません」と指摘しましたが、朝鮮半島懸念や衆院総選挙など、まさにその通りの一年となったのではないか、と感じています。では、2018年はどういった一年になるのでしょうか。筆者はその激変が揺籃期から本格期へと移行し、長く日本経済を停滞させていたバブル後遺症からの決別が試される一年になるのではないか、と想像しています。

さて、今回は年末最後のコラムということでもあり、昨年、一昨年も試みたように「2018年の重大イベント」を取り上げたいと思います。昨年のコラムでは、年前半の大きな政治イベント、国内ではレゴランドの開業、少子高齢化問題への盛り上がりに注目しました。政治イベントでは、BREXITが思ったほど大きく注目されることはありませんでしたが、朝鮮半島懸念は株式市場の波乱要因となりました。一方、レゴランドや少子高齢化問題に関しては株式市場での盛り上がりには、やや欠けた印象でした。これら以外に市場の注目を集めたテーマとしては、仮想通貨、AI(人工知能)、人手不足や働き方改革などがありましたが、これらは概して広義のIoT(モノのインターネット化)関連とも言えるでしょう。今年の相場の柱は、政治関連とテクノロジーにあったのでは、と振り返っています。

では2018年はどうでしょう。株式市場に関連のありそうなイベントカレンダーとしては、2-3月の平昌冬季オリンピック・パラリンピック、3月のロシア大統領選、4月の黒田日銀総裁の任期満了(後継人事はより早期に決定予定)、6月のサッカーFIFAワールドカップロシア大会、9月の歌手安室奈美恵氏引退、10月には上場企業株式の売買単位を100株に統一、11月には眞子内親王の降嫁、などが挙げられます。また、今上陛下の譲位に伴う新元号の発表も2018年中となる予定です。こういった中で、筆者は減反政策の廃止を注目イベントとして位置づけたいと思います。1970年代から始まった減反政策は既に2018年での廃止が決まっており(時期は未定)、これによってコメは国の食糧管理制度から生産者自身の判断による需給調整に完全シフトすることになります。既にコメは流通が自由化されているため、減反政策の終了が大きく消費者に影響を与えるとは思いませんが、政策面での頸木が外れる生産者サイドでは相応の影響が生じるのではないか、と予想します。例えば、輸出の可能なブランド米を手掛ける農家(や法人)では積極的に耕作地を拡大する動きが加速してくるかもしれません。TPP(環太平洋パートナーシップ協定)発足などに備えて、少なくない農家(農業法人)は様々な作物のブランド化に取り組んできており、世界的にも日本の農作物への評価は非常に高いものがあります。日本からのコメ輸出ビジネスにとっても、減反政策の廃止は拡大成長のチャンスを捉えられるのではないか、と期待します。当然、そういった場合には農業に関連する商社なども投資対象として魅力が増すのでは、と想像します。

筆者が同時に注目するのは、引き続きAI関連です。実用化が進むにしたがい、この分野の進展はまさに日進月歩と云ってもよいでしょう。これに昨今の人手不足が重なり、さらに実用化が加速するという好循環が始まっているようにさえ思えます。しかも、この分野は所謂大企業が技術や市場を独占できるものではなく、多くの新興企業もビジネスチャンスの獲得が可能という点で非常に爆発力を秘めているとも言えます。まだAIそのものが漠然とした理解に留まっている現状を見る限り、まだまだ株式相場でも期待が継続するのではないか、と考えます。3つ目に注目するのは、波乱シナリオとしての有事、です。朝鮮半島のキナ臭さは依然として燻っており、いつ暴発が起きないとも限りません。そういったことが生じるとは考えたくもないですが、リスクシナリオの一つとして、頭の隅に入れておくべきでしょう。

振り返ると、2017年は順調な上げ相場の一年でした。皆様はいかがな一年でしたでしょうか。そして、一足早いですが、2018年が皆様にとって良い年でありますよう。良い新年をお迎えください!

コラム執筆:長谷部 翔太郎(証券アナリスト)

日系大手証券を経て、外資系投資銀行に勤務。証券アナリストとして、日経や米Institutional Investors誌などの各種サーベイで1位の評価を長年継続し、トップアナリストとして君臨する。外資系投資銀行で経営幹部に名前を連ねた後、現在は経営コンサルティング会社を経営する。著述業も手がけ、証券業界におけるアナリストのあり方に一石を投じる活動を展開中。著作は共著を中心に多数。

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