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バンガード・海外投資事情

2011年09月16日

長期投資家にとって、格下げに大きな意味はない

今回のマネックスメールでは2011年8月8日に米国バンガードのウェブサイトに掲載されたコラム「 長期投資家にとって、格下げに大きな意味はない」をご紹介いたします。
 スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が先日、米国長期債の格付けを"AAA"から"AA+"に引き下げたのは確かに気がかりな事態ではありますが、長期投資家はこれを気に病みすぎる必要はない、とバンガードの課税対象MMFを管理するデヴィッド・グロッケ(David Glocke)は言います。

「信用格付けの変更は米国が直面する問題を示してはいるものの、米国債そのものの安全性や流動性に問題があると示唆しているわけではありません。規模の大きさや流動性という点で、米国債市場は唯一無二の存在であり、米国債市場は世界で最も大規模で、最も流動性の高い市場なのです。」

S&Pは2011年8月5日に米国債の格付け引き下げを発表しました。その声明文で、債務上限の引き上げ、デフォルト回避で合意した米政府の妥協案は「政府の中期的な債務動向の安定化には不十分」との見解を表明しています。

●債務上限法が成立

2011年8月2日に成立した債務上限引き上げ法では、まず債務上限を9,000億ドル引き上げ、さらに年末までに1.2兆~1.5兆ドル引き上げることが決まっています。同時に、向こう10年間で裁量的支出(国や地方公共団体の歳出のうち、政策によって柔軟に縮減できる裁量性の高い性質の経費のことを言います)を9,170億ドル削減するほか、超党派による特別委員会を設置、委員会は年末までに同じく今後10年間でさらに1.5兆ドルの財政赤字削減を実現するための提言を行います。同委員会が赤字削減策をまとめられなかった場合は、あらかじめ策定されている1.2兆ドルの歳出削減策が自動的に実施されます。

ムーディーズ・インベスターズ・サービスは債務上限引き上げ法の成立を受け、米国債格付けを"Aaa"に据え置きましたが、格付け見通しは"ネガティブ"に変更しました。ムーディーズは格付け見通しの変更に際し、米政府の財政規律が今後緩んだ場合や、2013年に一段の財政再建策が講じられなかった場合、あるいは景気見通しが大幅に悪化したり、米政府の資金調達コストが大幅に増加し、現在予想される水準を上回ったりした場合は、格付けを引き下げる可能性もある、としました。

フィッチ・レーティングスも法案成立を受けて格付けを"AAA"に据え置きましたが、今回の与野党合意は格付けを「中期的に」維持できる水準にまで財政赤字を縮小させる計画の整備に向けた「第一歩」に過ぎないと指摘しています。

米国債に並ぶものなし

たとえムーディーズやフィッチがS&Pに追随し米国債の格付けを引き下げるとしても、"AA+"という 水準は十分に高いとグロッケは言います。「社債市場では、トリプルAの発行体とダブルAの発行体の利回りはさほど大きく違いません。ダブルAでも極めて信用度の高い債券といえるでしょう。」実際、強固な財務基盤を持つバークシャー・ハサウェイやゼネラル・エレクトリック、ファイザーといったブルーチップ銘柄の多くがダブルA格付けとなっています。

とはいえ、グロッケも格付けの引き下げが些事だと言っているわけではありません。
「ドルが世界の準備通貨であり続けようとするならば、米政府はこれ以上国の信用格付けが引き下げられないよう、適切な措置を講じなければなりません。」しかし米国債市場は今後も、世界最大の、そして流動性の最も高い市場であり続けるでしょう。投資家が米国債の代わりとなるものを探すのは困難です。「安全性と流動性という点で米国債に匹敵し、代用となる完璧な証券は見つかりません」とグロッケは言います。

なお、S&Pによる格付けの引き下げを理由に、バンガードが米国債を売却する予定はありません。「バンガードのどのMMFにも、S&Pが格下げを行った場合、米国債を強制的に売却するというような投資指針はありません。」とグロッケは述べています。

10年以上に亘ってマネックスメールに掲載頂いた「バンガード・海外投資事情」が今回をもって終了となります。長年のご愛読ありがとうございました。
 
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基調講演:
「正しい投資の始め方~『敗者のゲーム』チャールズ・エリス氏を迎えて~」
(同時通訳付)

https://www.vanguardjapan.co.jp/content/seminar/ellis-seminar2011.shtml?vjts=MXML_110916

(バンガード・インベストメンツ・ジャパンのウェブサイトに移動します。)

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